- ブルベに適したロードバイクとは?
- ブルベ仕様の装備とは?
- 快適なブルベ仕様のおすすめアイテムは?
ロードバイクの長距離イベントの「ブルベ(=Brevet)」。
”Brevet”とは、フランス語で「認定」を意味する言葉だ。
ブルベの最低距離は200kmで、300km・400km・600km…と、ブルベというイベントを知らない人や、自転車乗りではない人からしてみれば、「まじかよ…その距離を走るのかよ…」と思えてしまう過酷なイベントである。
今回の記事では、そんな長距離サイクリングイベント「ブルベ」に適したロードバイク・自転車仕様を考える。
必須装備からおすすめ装備など紹介するのでぜひ参考にしてほしい。
この記事を参考にして、ブルベ仕様のロードバイクを整えて、ブルベ準備の参考にしてもらえれば幸いだ。
この記事でわかること
- ブルベのルール上、必須な装備を解説
- ブルベに適したロードバイクがわかる
- ブルベ装備のおすすめ製品がわかる
まずはブルベ規定をチェック!ルール上、必須の装備が分かる
まずは、Audax Japanのブルベの規定を見てみよう。
第6条 装備
夜間走行のために、車両に確実に固定された前照灯と尾灯とを装備することが必要である。灯火は常に完全に機能することが必要である(予備灯火は強く推奨される)。少なくとも一つの尾灯は(点滅モードではなく)常時点灯モードでなければならない。上記の要求を満たせない走者は出走を許可されない。 灯火は夕方から明け方まで点灯しなければならない。また他の視界不良の条件下(雨天、霧等)でも同様である。走者は、グループで走ろうと単独であろうと上記の要求を満たさねばならない。いかなる走者も各自の灯火を使用しなければならない! すべての走者は反射ベスト、反射たすき、反射肩掛けベルト(Sam Browne belt)、もしくは前後の見えやすい位置に反射素材がついた同様のものを着用しなければならない。 本夜間走行規則のいかなる違反をも、走者は即座に失格となる。 ベル装着とヘルメット着用を義務付ける。400km以上では前照灯2つ、ヘルメットに尾灯(点滅可)を装着すること。
引用:https://www.audax-japan.org/brevet/brm/brm-part-regulation/
以上のように、少し文字ばかりで分かりづらいかもしれないので、まとめると次の必須装備を守れば問題ない。
必須装備
- 前照灯(400km以上では2灯)
- 常時点灯式尾灯(車体に固定、赤色、点滅不可で常時点灯できるもの)
- 反射材(ベスト、たすきなど)
- ベル
- ヘルメット
- ヘルメット尾灯(400km以上)
また、これがなければ出走できないわけではないが、あるとよい任意装備はこちら。
任意装備
- バッグ類
- DHバー(禁止の主催団体あり)
- ブルべカード入れ
- キューシート
- サイコン
- ヘルメットライト(前照灯)
ブルべカードは常に携行する必要があり、濡れてしまったり、破けてしまったりしてはいけないので、簡単なものでいいのでケースを用意しよう。
ブルベは各地域によって主催団体が異なり、その団体によって独自のローカルルールがあるので、参加するブルベ団体のHPはかならずチェックしよう。
ブルベ仕様のロードバイク①ブルベの必須装備
必須装備も含め、ブルベ装備を準備しよう。
必須装備
- 前照灯(400km以上では2灯)
- 常時点灯式尾灯(車体に固定、赤色、点滅不可で常時点灯できるもの)
- 反射材(ベスト、たすきなど)
- ベル
- ヘルメット
- ヘルメット尾灯(400km以上)
必須装備①前照灯(フロントライト)
まずは、必須装備の前照灯(フロントライト)だ。
トンネルや暗い時間帯の走行がある場合は、300lm以上を用意しよう。
また、400km以上のブルベでは前照灯2灯が必須だが、よっぽど速く走れる人でない限り300km以上のブルベでは夜間走行を伴うので、2灯以上装備しておくと良い。
夜間走行の場合はランタイムに注意したい。夜間走行中にバッテリーが切れてしまっては走行できなくなってしまうからだ。
おすすめの前照灯(フロントライト)はこちら。
ハンドル取付用のブラケットが付属しているが、スマートに取り付けしたい方はレックマウントという商品もチェック。
さまざまな取り付け方式やアダプターがあり、あなたに合ったレッグマウントを選ぼう。
キャットアイブラケットを2つ逆さ付けできるアダプターもあり、ブルベのようなナイトライドにおすすめ。ハンドル回りをすっきりとしライトを装備できる。
フロントライトの選び方とおすすめ製品については、この記事で詳細に解説しているので参考にしてほしい。
必須装備②常時点灯式尾灯(テールライト)
尾灯(テールライト)も必須装備の一つで、必ず一つは常時点灯していなければいけない。
そのため、ランタイムが十分な「電池式」をおすすめする。
また、車体に固定されていることが必要で出走前の車検で確認される。(サドルバッグ等に取り付けNGで、尾灯としてカウントされない)
ブルベに適しているロングランタイムの尾灯はこちら。
その他のおすすめ製品や、テールライトの選び方についてはこちらの記事で詳しく説明しているので参考に。
必須装備③反射材・リフレクター
反射材も必須で身に着ける必要がある。
反射ベストや反射たすき、反射肩掛けベルトなどがあるが、おすすめは「反射ベスト」。
反射ベストはたすきのようにずり落ちてくる心配もないので、走行に集中できる。
また、製品によってはポケット付きのものもある。
ブルベ規定上の反射材ではないが、車体やサドルバッグに取り付け可能な「おにぎりリフレクター」は、後続車に効果的にアピールできるためオススメ。
リフレクターについておすすめ製品をこちらの記事でまとめているので参考にしてほしい。
必須装備④ベル
道路交通法上、装備が必要な自転車用のベルも車検で確認される。
ロードバイク乗りであれば必ず持っていると思うので、忘れずに装備しよう。
おしゃれなデザインのベルもあるので、どうぞ。
必須装備⑤ヘルメット
ヘルメットも必須装備だ。
普段から使用しているものを着用すればよいが、出来れば軽量なものを選べば、首の痛みも軽減できる。
必須装備⑥ヘルメット尾灯(400km以上)
400km以上のブルベで必須となるのが、ヘルメット尾灯。
軽量なので重量も気にならない。
よって、安全のためどの距離のブルベでも着用しておきたい。
ブルベ仕様のロードバイク②ブルベ向け装備(必須ではないがあるとよい装備)
次に任意装備、あるとよい装備を紹介する。
必須ではないので出走できるが、便利なブルベ向け装備だ。
任意装備
- バッグ類
- DHバー(禁止の主催団体あり)
- ブルべカード入れ
- キューシート
- サイコン
- ヘルメットライト(前照灯)
あるとよい装備①バッグ類(フレームバッグ・サドルバッグ・トップチューブバッグなど)
必要な容量のバッグを装備しよう。
ブルべカードや財布、輪行袋、レインジャケット、補給食などブルベは荷物が多くなるからだ。
よって、大半の参加者はさまざまなバッグを装備しブルベに臨んでいる。
主なバッグの種類はこちら。
- サドルバッグ
- シートポストバッグ
- フレームバッグ
- フロントバッグ(ハンドルバッグ)
- トップチューブバッグ
- ツールボトル
- ステムポーチ
このなかで私のおすすめは、「フレームバッグ」だ。
なぜなら比較的重心を低くできるため走行性を損なわず、容量も3~4Lを確保でき、走行中に荷物の出し入れも出来る。
あるとよい装備②DHバー
平坦が多いルートのブルベではDHバーもおすすめ。
空気抵抗の少ないポジションで走行できるため、平坦巡航にはもってこいのアイテム。
またポジションが一つ増えるため、手の痛み・痺れ対策にもなり、ロングライドにとって便利な装備だ。
DHバーは平坦で使用するのもで、また500g程重量増となるため、参加するブルベのコースによって装備するか考えよう。
ただし、参加するブルベの主催団体によってはDHバーの装着を禁止している場合もあるので注意しよう。
上ハンが握りやすいアームレストが跳ね上げ式のタイプもある。
ブルベ仕様のロードバイク③ブルベに適したロードバイク・自転車
ブルベに適したロードバイクとは、「エンデュランス」と呼ばれるタイプのロードバイクだ。
なぜなら、「エンデュランス」タイプのロードバイクは、長距離を快適に走るための設計がされているから。
例えば、以下のような設計がされている。
- 「ジオメトリ」・・・ヘッドチューブが高めで、前傾姿勢がきつくない。ホイールベースが長く、直進時の安定性に優れる。
- 「振動吸収性」・・・素材や構造で、振動吸収性に特化させている。
「エンデュランス」タイプのロードバイクには次のようなモデル(主要メーカー抜粋)がある。
- スペシャライズド ルーベ
- トレック ドマーネ
- キャノンデール シナプス
- キャニオン エンデュレース
よって、ブルベ仕様のロードバイクを考えるうえで、長距離を快適に走ることに特化した「エンデュランス」タイプのロードバイクを選ぶのがおすすめ。
筆者はというと、レース向けの「S-WORKS TARMAC SL6」を使用している。
レース向けだからと言ってブルベを完走できないわけではない。
ブルベ向けのおすすめタイヤ
ブルベには耐パンク性能に優れたタイヤを選びたい。
また、軽量性であればライドも楽に速く走れるようになる。
筆者おすすめのブルベ向けタイヤは「Continental GrandPrix 5000」。
- ブランド:Continental
- シリーズ:GrandPrix 5000
- 重量:23C/200g 25C/225g 28C/240g
- カラー :2種類(Black/Trasparent skin)
パンク耐性に定評があり、軽量かつ十分なグリップ性能を有することからレースからロングライドまで幅広く使える。
まさに万能のロードバイクタイヤといってよいだろう。
Continental GrandPrix 5000
- 定番かつ人気のタイヤ
- パンク耐性が高い
- 乗り心地がよい(少し硬め)
- 軽量である
- Amazonなどでも購入でき、入手性もよい
また、こちらの記事では「耐パンク性能」「軽量性」を選定基準に、ロングライド・ブルベにおすすめのタイヤを選抜した。
乗り心地に定評のあるタイヤも紹介している。
安全に楽にブルベを完走するためにも、タイヤ選びの参考にしてほしい。
まとめ:ブルベ仕様のロードバイク・自転車
今回の記事ではブルベ仕様の装備構成を紹介した。
ブルベ参加にはブルベ規定で定められている必須装備が義務付けられており、出走前の車検で確認される。
必須装備
- 前照灯(400km以上では2灯)
- 常時点灯式尾灯(車体に固定、赤色、点滅不可で常時点灯できるもの)
- 反射材(ベスト、たすきなど)
- ベル
- ヘルメット
- ヘルメット尾灯(400km以上)
その他に、バッグ類や巡航に有利なDHバーも紹介した。
また、ブルベに適したロードバイクとは「エンデュランスロード」。
エンデュランスロード
- ヘッドチューブ長が長くアップライトなポジションをとれる
- ホイールベースが長い設計のため、直進の安定性に優れる
- 構造や素材が工夫されていて振動吸収性が高い
今回の記事を参考にブルベ仕様のロードバイクを準備し、ブルベ完走に臨んでもらえれば幸いだ。
ブルベ距離別のオススメ装備
ブルベの距離別におすすめの装備を紹介しよう。
距離によって、装備の考え方は異なる。
例えば300km以上ではナイトライドが必須だ。
そのため、ナイトライドに対応できる装備(フロントライトや防寒着)が必要となる。
距離別のおすすめ装備について、下の記事を参考にしてほしい。