ロードバイクに乗る上で、ヘルメットやグローブと同じくらい重要なアイテムが「サングラス」である。
単なるファッションアイテムだと考えているなら、それは大きな間違いだ。
筆者は2015年からロードバイクに乗り始め、今ではブルベで600kmを走るまでになったが、過酷なロングライドを経験すればするほど、サングラスの重要性を痛感する。
紫外線や飛び石から目を守り、路面状況をクリアに視認させ、集中力を維持させてくれる。
まさに、安全で快適なライディングに不可欠な相棒なのだ。
しかし、いざ選ぼうとすると、無数のメーカーとモデルが存在し、何を選べば良いか分からないという声も多い。
この記事では、そんな悩みを解決するために、ロードバイク用サングラスの選び方から、信頼できるおすすめのメーカーまで、筆者の経験を交えて網羅的に解説していく。
この記事でわかること
- ロードバイクに専用サングラスが必要な理由
- 失敗しないロードバイクサングラスの選び方4つのコツ
- 定番から個性派まで、おすすめのサングラスメーカー13選
- ロングライドやブルベでの実践的なサングラス活用術
なぜロードバイクに専用サングラスが必要なのか?
結論から言えば、ロードバイクに専用サングラスが必要なのは「安全性」と「快適性」を劇的に向上させるためである。
ファッション用のサングラスとは、設計思想そのものが根本的に異なるのだ。
1. 眼球の保護:紫外線・飛来物・風からの防御

これが最も重要な役割だ。
長時間、屋外を走行するロードバイクでは、常に紫外線にさらされる。
紫外線は白内障などの眼病リスクを高めるため、UVカット機能は必須である。
また、走行中には虫やホコリ、前走者が跳ね上げた小石などが目に飛び込んでくる危険が常にある。
筆者も、下り坂でカナブンが顔に激突した経験があるが、もしサングラスがなければ失明していたかもしれない。
さらに、走行風が直接目に当たると、目が乾き、疲労や集中力の低下につながる。
専用サングラスは、顔にフィットするカーブした形状で、これらの脅威から確実に目を守ってくれるのだ。
2. 視認性の向上:路面状況の的確な把握

ロードバイク用のレンズは、単に色がついているだけではない。
路面の凹凸や白線、障害物などを、裸眼よりもクリアに視認できるようにコントラストを調整する機能を持っている。
例えば、日差しの強い日には眩しさを抑え、曇りの日には逆に対象物をシャープに見せるレンズが存在する。
これにより、危険を素早く察知し、安全なライン取りが可能になる。
特に、時速40kmを超えるような高速域では、この視認性の差が事故を未然に防ぐ生命線となるのだ。
3. 疲労の軽減:情報過多からの解放

目から入る情報は、脳の疲労に直結する。 強すぎる日差しや走行風、細かすぎる路面情報などは、知らず知らずのうちにサイクリストの精神を消耗させる。
適切なサングラスを着用することで、不要な情報をカットし、必要な情報だけを脳に送ることができる。
これは特に、100km、200kmと距離が伸びるロングライドやブルベにおいて、後半のパフォーマンス維持に大きく貢献する。
筆者の経験上、サングラスの有無は、ゴール後の疲労度に明確な差となって現れる。
このようにロードバイクのおけるサングラスは「安全性」と「快適性」を向上させるために必須のアイテムであり、下記記事ではその必要性をもっと詳しく解説している。
失敗しないロードバイクサングラスメーカーの4つの選び方
数あるメーカーの中から自分に最適な一本を見つけるには、押さえるべき4つのポイントがある。
デザインの好みだけで選んでしまうと、後悔することになるだろう。
1. レンズ性能で選ぶ(調光・偏光・ミラー)

レンズはサングラスの心臓部であり、最もこだわるべきポイントだ。
走行する環境や時間帯によって、最適なレンズは異なる。
レンズの種類 | 特徴 | メリット | デメリット | こんな人におすすめ |
調光レンズ | 紫外線の量に応じてレンズの色の濃さが自動で変化する。 | ・レンズ交換の手間がない ・トンネルや天候の変化に対応しやすい | ・色の変化に少し時間がかかる ・気温が低いと色が濃くなりやすい ・経年劣化する | ・ロングライドやブルベなど、一日中走る人 ・レンズ交換が面倒な人 |
偏光レンズ | 路面や水面からの乱反射光をカットする。 | ・路面のギラつきを抑え、白線などが見やすい ・水中の魚が見えるほどクリアな視界 | ・スマホなどの液晶画面が見えにくくなることがある ・調光機能付きは高価 | ・日中のライドがメインの人 ・照り返しの強い海沿いや真夏のライドが多い人 |
ミラーレンズ | レンズ表面が鏡のように光を反射する。 | ・強い日差しを効果的にカットする ・外から目が見えにくい(表情を読ませない) ・デザイン性が高い | ・コーティングが傷つきやすい ・暗い場所では視界が暗くなりすぎる | ・晴天時のライドが多い人 ・デザイン性を重視する人 |
クリアレンズ | 色のついていない透明なレンズ。 | ・夜間やトンネル内でも視界が明るい ・飛来物からの保護に特化 | ・日中の眩しさは防げない | ・ナイトライドや雨天走行をする人 |
筆者は、昼夜を問わず走り続ける600kmブルベでは、基本的に調光レンズを愛用している。 トンネルの多い山岳コースや、夜間走行に突入する際、レンズ交換の手間なく安全な視界を確保できるメリットは計り知れない。 ただし、真夏の炎天下では色の変化が追いつかず、もう少し濃くなってほしいと感じる場面もある。
完璧なレンズは存在しないため、自分の主なライドスタイルに合わせて選ぶことが肝心だ。
このようにレンズカラーやレンズの種類はライドによって選ぶことが重要で、下記記事では筆者の体験を基に解説しているので参考にしてほしい。
2. フィット感で選ぶ(アジアンフィットの重要性)

どんなに高性能なレンズでも、フレームが顔にフィットしていなければ意味がない。
フィット感で重要なのは以下の3点だ。
- ズレないか: 走行中の振動や汗でサングラスがズレると、非常にストレスになる。
- 痛くないか: こめかみや耳の後ろ、鼻が痛くなるようでは長時間の着用は苦痛だ。
- 風を巻き込まないか: 顔とレンズの隙間から風が入り込むと、目が乾く原因になる。
特に、欧米メーカーの製品を選ぶ際は「アジアンフィット(またはジャパンフィット)」モデルを強く推奨する。
欧米人とアジア人では、顔の幅や鼻の高さといった骨格が異なる。
筆者も初めて海外メーカーのサングラスを買った際、ノーマルフィットを選んでしまい、すぐに鼻からズレ落ちてくるという失敗を経験した。アジアンフィットのノーズパッドに買い替えることでズレ落ちにくくなった。
アジアンフィットは、ノーズパッドが高く、フレームのカーブが緩やかになっているなど、日本人の顔に合いやすいように設計されている。
可能であれば試着して、頭を振ったり、前傾姿勢をとったりしてフィット感を確認するべきだ。
3. フレームの機能性で選ぶ(軽さ・耐久性・通気性)

フレームの機能性も快適性を左右する重要な要素である。
- 軽さ: 長時間着用するため、軽さは正義である。20g~30g台が一般的だが、数グラムの違いがロングライドの後半では大きな差となる。
- 耐久性: 落車時の衝撃や、汗による腐食に強い素材(グリルアミドTR-90など)が使われているモデルが望ましい。
- 通気性(ベンチレーション): レンズやフレームに通気孔が設けられていると、レンズが曇りにくくなる。特に、ヒルクライム中の低速時や、湿度が高い日にはこの機能が活きてくる。
4. デザインと予算で選ぶ

最終的には、自分が気に入ったデザインであることも重要だ。
お気に入りのサングラスは、ライドへのモチベーションを高めてくれる。
ヘルメットやウェアとのカラーコーディネートを楽しむのもロードバイクの醍醐味の一つである。
予算については、1万円以下のエントリーモデルから、5万円を超えるハイエンドモデルまで幅広い。
高価なモデルは、レンズの光学性能やフレームの調整機能、軽さなどが優れているが、最近では2万円前後のミドルグレードでも非常に性能の高いモデルが増えている。
初心者はまず、1万円台~2万円台のモデルから試してみるのが良いだろう。
ただし、安いだけのサングラスはおすすめできない。性能や機能性も確保されたサングラスを選ぶことが重要で、下記記事ではそんなコスパに優れたサングラスを厳選したので参考に。
【定番から個性派まで】ロードバイクサングラスのおすすめメーカー12選

ここからは、数あるメーカーの中から、ロードバイク乗りから絶大な支持を得ている定番メーカーや、近年人気急上昇中の個性派メーカーまで、13社を厳選して紹介する。
おすすめロードバイクサングラスメーカー一覧表
メーカー | 国 | 特徴 | 価格帯 | 代表モデル |
Oakley | アメリカ | 圧倒的No.1シェア、高性能PRIZMレンズ | 高価格帯 | JAWBREAKER、Sutro |
100% | アメリカ | トレンドのビッグレンズ、高いデザイン性 | 中~高価格帯 | S3 |
Rudy Project | イタリア | 最高のフィット感を実現する調整機能 | 中~高価格帯 | Cutline |
Kabuto | 日本 | 日本人に最適化されたフィット感 | コストパフォーマンス | 122 |
Swans | 日本 | 世界トップクラスの日本製レンズ技術 | 中価格帯 | E-NOX NEURON20' |
POC | スウェーデン | 安全性第一、洗練された北欧デザイン | 高価格帯 | Aspire |
Smith | アメリカ | 鮮明な視界のChromaPopレンズ | 中~高価格帯 | Shift MAG |
Shimano | 日本 | 総合メーカーとしての信頼性と機能性 | 中価格帯 | S-PHYRE |
Tifosi | アメリカ | 圧倒的なコストパフォーマンス | コストパフォーマンス | Sledge |
ALTALIST | 日本 | 日本人向け設計、驚異的なコスパ | コストパフォーマンス | KAKU SP2、KISOU ATR |
Alba Optics | イタリア | レトロモダンな個性派デザイン | 高価格帯 | DELTA、STRATOS |
Scicon | イタリア | プロチーム採用、革新的な機能性 | 高価格帯 | Aeroshade |
uvex | ドイツ | 質実剛健、高い安全性と耐久性 | コストパフォーマンス | sportstyle 235 |
1. Oakley (オークリー)
もはや説明不要のキング・オブ・アイウェア。 プロロードレースの世界では圧倒的なシェアを誇り、その性能とブランド力は他の追随を許さない。
独自開発の「PRIZMレンズ」は、特定のスポーツ環境に合わせてコントラストを最適化し、路面状況を驚くほど鮮明に映し出す。
価格は高めだが、それに見合うだけの性能と所有欲を満たしてくれる、まさに王道メーカーである。
- 特徴: 圧倒的なブランド力、高性能なPRIZMレンズ、豊富なラインナップ
- 代表モデル: Sutro, Jawbreaker, Radar EV
- 筆者の一言: 迷ったらオークリーを選んでおけば間違いない。特にPRIZM ROADレンズの見え方は一度体験する価値がある。
オークリーのロードバイク用サングラスは以下の記事でまとめて紹介している。筆者も愛用しているPRIZM ROADレンズのように、レンズ性能を重視するならオークリーで決まりだ。
オークリーの数あるサングラスの内、筆者が長年愛用しているモデル「JAWBREAKER」は、人気の定番モデルでレンズ交換可能なためライドに合わせて最適なセッティングが出来る。
2. 100% (ワンハンドレッド)
元々はモトクロスのゴーグルメーカーだったが、ロードバイク界のスター選手、ペーター・サガンが着用したことで一気に人気が爆発した。 顔を覆うほどの大きなレンズ(ビッグレンズ)が特徴で、圧倒的な視野の広さとプロテクション性能を誇る。 インパクトのあるデザインは、ファッション感度の高いサイクリストから絶大な支持を得ている。
- 特徴: トレンドのビッグレンズ、広い視野、高いデザイン性
- 代表モデル: S3, S2, Speedcraft
- 筆者の一言: 若者を中心に人気急上昇中。少し派手なくらいのデザインが好きな人におすすめだ。
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3. Rudy Project (ルディプロジェクト)
1985年創業のイタリアンブランド。 デザイン性の高さはもちろん、ノーズパッドやテンプル(つる)の調整機能に優れており、オーダーメイドのようなフィット感を実現できるのが最大の強みだ。 衝撃に強く、絶対に割れない「インパクトX」調光レンズも非常に評価が高い。
- 特徴: 卓越した調整機能、高性能な調光レンズ、イタリアンデザイン
- 代表モデル: Cutline, Defender, Tralyx
- 筆者の一言: フィット感に徹底的にこだわりたい人には、ルディプロジェクトが最適解となるだろう。ブルベ仲間にも愛用者が多い。
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4. Kabuto (カブト)
日本のヘルメットメーカーとして有名なOGK Kabuto。 日本のブランドだけあって、そのフィット感は日本人の顔に最適化されており、絶大な安心感がある。 高品質ながら価格が比較的リーズナブルで、コストパフォーマンスに非常に優れている。 交換レンズが複数枚付属するモデルが多いのも嬉しいポイントだ。
- 特徴: 日本人に最適なフィット感、高いコストパフォーマンス、豊富な付属品
- 代表モデル: 122, 101, 301
- 筆者の一言: 初めてのサングラス選びで失敗したくないなら、まずKabutoを試着してみることを強く推奨する。
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5. Swans (スワンズ)
100年以上の歴史を持つ日本の老舗光学メーカー「山本光学」が手掛けるブランド。 長年培ってきたレンズ技術は世界トップクラスで、特に悪天候時や暗い場所での視認性の高さには定評がある。 デザインは比較的オーソドックスだが、その品質と信頼性は折り紙付きだ。
- 特徴: 世界に誇る日本のレンズ技術、高い品質と信頼性
- 代表モデル: E-NOX NEURON20', FACEONE, STRIX I
- 筆者の一言: 「レンズの質」を最優先するなら選ぶべきブランド。派手さはないが、質実剛健な製品作りが魅力だ。
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6. POC (ポック)
スウェーデン発のブランドで、アスリートの安全を第一に考えるという哲学を持つ。 ヘルメットで有名だが、サングラスも非常に評価が高い。 カールツァイス社製の高品質なレンズと、ミニマルで洗練された北欧デザインが特徴。 少し値段は張るが、その独特の存在感と安全性へのこだわりは多くのサイクリストを魅了している。
- 特徴: 安全性を追求した設計、カールツァイス製レンズ、洗練された北欧デザイン
- 代表モデル: Aspire, Devour, Propel
- 筆者の一言: ヘルメットと合わせてPOCで揃えると、統一感が出て非常におしゃれだ。
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7. Smith (スミス)
スキーやスノーボードの世界では超有名なアメリカのブランド。 そのレンズ技術はロードバイクの世界でも高く評価されており、特に「ChromaPop(クロマポップ)レンズ」は、色の三原色をコントロールすることで、驚くほど自然で鮮明な視界を提供する。 マグネットで簡単にレンズ交換ができるモデルも人気だ。
- 特徴: 鮮明な視界を約束するChromaPopレンズ、革新的な機能
- 代表モデル: Wildcat, Shift MAG, Reverb
- 筆者の一言: オークリーのPRIZMレンズとはまた違った、自然な色の見え方が好みだという人も多い。
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8. Shimano (シマノ)
ロードバイクのコンポーネントで圧倒的なシェアを誇る日本のシマノ。 アイウェアの分野でも、サイクリストの視点に立った製品開発を行っている。 特にハイエンドモデルの「S-PHYRE」は、プロ選手からのフィードバックを基に設計されており、軽量性とフィット感、視界の広さが高次元でバランスされている。
- 特徴: 総合メーカーとしての信頼性、サイクリスト目線の設計
- 代表モデル: S-PHYRE, AEROLITE, TECHNIUM
- 筆者の一言: シマノのコンポでバイクを組んでいるなら、アイウェアもシマノで揃えるという選択肢も魅力的だ。
Shimanoのロードバイク用サングラスは公式サイト限定。
9. Tifosi (ティフォージ)
アメリカ発のブランドで、「高品質なアイウェアを、誰もが手に入れやすい価格で」をコンセプトにしている。 1万円前後で購入できるモデルが多く、それでいて調光機能や交換レンズ付きなど、機能性も十分。 圧倒的なコストパフォーマンスで、初めての一本を探している初心者や、サブのサングラスを探している中級者以上に絶大な人気を誇る。
- 特徴: 圧倒的なコストパフォーマンス、豊富な機能
- 代表モデル: Sledge, Alliant, Aethon
- 筆者の一言: 「この価格でこの性能?」と驚くこと間違いなし。予算を抑えたいなら最有力候補だ。
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10. ALTALIST (アルタリスト)
彗星の如く現れ、日本のサイクリング界を席巻している新進気鋭ブランド。 「日本人に最適なアイウェア」をコンセプトに、徹底的なコスト管理とライダー目線の製品開発で、驚異的なコストパフォーマンスを実現している。 1万円以下で高性能な調光レンズモデルが手に入るなど、価格破壊とも言えるラインナップが魅力。 ハイエンドブランドほどの高級感はないかもしれないが、実用性能は全く遜色ない。
- 特徴: 日本人向けモデルをラインナップ、コスパ高い
- 代表モデル: KAKU SP2、KISOU ATR
- 筆者の一言: まさに価格と性能のバランスを追求する現代のサイクリストのためのブランド。ブルベで酷使する一本としても面白い存在だ。
視界が広く、防風防塵性能の高いビッグレンズを採用した「KAKU SP2」はこちら!
筆者がブルベ300kmで試して抜群のフィット感と広い視界を実感した調光モデル「KISOU ATR」はこちら!レビュー記事もあわせてどうぞ。
11. Alba Optics (アルバオプティクス)
80年代のクラシックなスタイルを現代に蘇らせた、イタリアの新進気鋭ブランド。 レトロでありながらモダンな雰囲気を併せ持つデザインが特徴で、他の人とは違う個性を出したいサイクリストに人気だ。 見た目だけでなく、軽量で高性能なVZUMレンズを採用するなど、性能面でも妥協はない。
- 特徴: レトロモダンな独特のデザイン、軽量性
- 代表モデル: DELTA, STRATOS
- 筆者の一言: クラシックなクロモリバイクから最新のエアロロードまで、不思議とどんなバイクにもマッチするデザインが魅力。
アルバオプティクス製品は正規代理店でのみ購入可能だ。(Amazonなどで取り扱いなし)
レトロモダンなデザインが秀逸な「STRATOS」のレビュー記事はこちら。
12. Scicon (シーコン)
バイクの輪行バッグで有名なイタリアのブランド。 近年アイウェアにも力を入れており、UAEチーム・エミレーツのタデイ・ポガチャル選手が着用していることで一躍有名になった。 レンズ交換システムや調整機能など、革新的なギミックが満載で、ガジェット好きの心をくすぐる。
- 特徴: プロチームが採用する実績、革新的な機能
- 代表モデル: Aeroshade, Aerowing
- 筆者の一言: 最先端の機能とデザインを求めるなら、チェックしておくべきブランドだ。
トッププロが選んだ「Aeroshade」の実力とは?
13. uvex (ウベックス)
ドイツの老舗安全防具メーカー。 「protecting people」をモットーに、産業用からスポーツ用まで、幅広い分野で安全性を追求した製品を開発している。 質実剛健なドイツブランドらしい、高い耐久性と優れた光学性能が魅力だ。 派手さはないが、長く安心して使える信頼性の高い製品を求める人におすすめである。
- 特徴: ドイツブランドならではの質実剛健さ、高い安全性と耐久性
- 代表モデル: sportstyleシリーズ, pace one V
- 筆者の一言: 派手さよりも、道具としての本質的な性能と信頼性を重視する玄人好みのブランドだ。
ドイツの質実剛健を体現する「sportstyle 235」はこちら!
【筆者の体験談】ロングライド・ブルベでのサングラス活用術
100kmを超えるロングライド、特に24時間以上走り続けるブルベにおいては、サングラスは単なるアクセサリーではなく、完走を左右する重要な装備となる。
天候や時間帯に合わせたレンズ選択

筆者が600kmブルベに挑む際は、調光レンズを基本とする。
早朝の薄暗い時間から日中の強い日差し、そして深夜の闇まで、刻々と変化する光の状況に一つのレンズで対応できるのは大きなアドバンテージだ。
しかし、急な豪雨や濃霧に備え、コントラストを高めて視認性を確保できるイエロー系の交換レンズを予備としてサドルバッグに忍ばせることもある。
レンズ交換式のモデルを選ぶか、汎用性の高い調光レンズを選ぶかは、走る距離やコースプロファイル、そして自分の性格(面倒くさがりかどうか)を考慮して決めるべきだ。
意外な盲点?ヘルメットとの相性

これは初心者が見落としがちなポイントだが、サングラスのテンプル(つる)がヘルメットのシェルやストラップアジャスターと干渉することがある。
購入前に、必ず自分が使っているヘルメットを着用した状態で試着することをおすすめする。
干渉すると、不快な圧迫感や痛みの原因となり、長時間のライドでは耐え難いストレスになる。
筆者もこれで一度失敗し、ヘルメットとサングラスを買い直した苦い経験がある。
ロードバイクのサングラスに関するQ&A

Q1. 度付きサングラスはどうすればいい?
A1. 方法はいくつかある。
- インナーフレーム式: サングラスの内側に度付きレンズを入れた小さなフレームを取り付けるタイプ。比較的安価に作れるが、レンズが二重になるため曇りやすい、視野が狭いなどのデメリットがある。
- ダイレクト式: サングラスのレンズそのものを度付きにするタイプ。視界が自然で見やすいが、カーブの強いレンズだと対応できない場合や、非常に高価になる場合がある。
- コンタクトレンズ+通常のサングラス: 最も手軽で一般的な方法。これが可能であれば、選択肢が最も広がる。 まずは、スポーツサングラスを多く取り扱っている眼鏡店に相談するのが良いだろう。
Q2. 1万円以下の安いサングラスではダメなのか?
A2. 必ずしもダメというわけではない。
UVカット機能があり、飛来物から目を守るという最低限の役割は果たせる。
しかし、高価なモデルに比べて、レンズの解像度(歪みの少なさ)や、フレームのフィット感、軽さ、耐久性などで劣る場合が多い。
特にレンズの歪みは、長時間使用すると眼精疲労や頭痛の原因になることがある。
安全に関わる装備であるため、少なくともスポーツバイク用に設計された、信頼できるメーカーのエントリーモデル(1万円台~)を選ぶことを推奨する。
Q3. マスクをするときの曇り対策は?
A3. マスク着用時のレンズの曇りは悩みの種だ。 対策としては、以下の方法が有効である。
- 曇り止めを塗る: 専用の曇り止め液やスプレーをレンズに塗布する。
- ベンチレーション付きのモデルを選ぶ: レンズに空気穴が開いているモデルは曇りにくい。
- マスクのフィッティング: 鼻の部分のワイヤーをしっかり顔にフィットさせ、呼気が上に漏れないようにする。
- 信号待ちなどで一時的にサングラスを浮かせる: 停車中は特に曇りやすいため、少し顔から離して換気する。
まとめ:最適なサングラスメーカーを見つけて快適なロードバイクライフを!

ロードバイク用のサングラスは、あなたの目を守り、パフォーマンスを向上させ、そしてサイクリングの楽しさを何倍にもしてくれる重要な投資である。
今回紹介した13のメーカーは、いずれも世界中のサイクリストから信頼されている優れたブランドだ。
メーカー | 国 | 特徴 | 価格帯 | 代表モデル |
Oakley | アメリカ | 圧倒的No.1シェア、高性能PRIZMレンズ | 高価格帯 | JAWBREAKER、Sutro |
100% | アメリカ | トレンドのビッグレンズ、高いデザイン性 | 中~高価格帯 | S3 |
Rudy Project | イタリア | 最高のフィット感を実現する調整機能 | 中~高価格帯 | Cutline |
Kabuto | 日本 | 日本人に最適化されたフィット感 | コストパフォーマンス | 122 |
Swans | 日本 | 世界トップクラスの日本製レンズ技術 | 中価格帯 | E-NOX NEURON20' |
POC | スウェーデン | 安全性第一、洗練された北欧デザイン | 高価格帯 | Aspire |
Smith | アメリカ | 鮮明な視界のChromaPopレンズ | 中~高価格帯 | Shift MAG |
Shimano | 日本 | 総合メーカーとしての信頼性と機能性 | 中価格帯 | S-PHYRE |
Tifosi | アメリカ | 圧倒的なコストパフォーマンス | コストパフォーマンス | Sledge |
ALTALIST | 日本 | 日本人向け設計、驚異的なコスパ | コストパフォーマンス | KAKU SP2、KISOU ATR |
Alba Optics | イタリア | レトロモダンな個性派デザイン | 高価格帯 | DELTA、STRATOS |
Scicon | イタリア | プロチーム採用、革新的な機能性 | 高価格帯 | Aeroshade |
uvex | ドイツ | 質実剛健、高い安全性と耐久性 | コストパフォーマンス | sportstyle 235 |
重要なのは、この記事で解説した4つの選び方、
- レンズ性能
- フィット感
- フレームの機能性
- デザインと予算
これらを基に、自分のライドスタイルや顔の形に合った一本を見つけ出すことだ。
あなたにとって最高の相棒となるサングラスが見つかれば、ロードバイクライフがより安全で、より快適で、より楽しいものになることは間違いない。