ロングライドのコツ

【徹底解説】ロードバイク補給食の選び方|ロングライド・ブルベで失敗しない栄養戦略

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ロードバイクにおいて補給食は単なるスナックではない。

補給食は、長時間・長距離を走り切るための「燃料」そのものである。

特に100km以上のロングライドやブルベのような長距離イベントでは、補給の成否がパフォーマンスだけでなく完走可否に直結する。

この記事では、ロードバイクにおける補給食の基本、選び方のポイント、タイミング、コンビニ活用術、具体的なおすすめアイテムまで詳しく解説する。

筆者はロングライドやブルベ(SR取得済み)を中心に走っていて、その経験から補給食の摂り方や選び方などを解説する。また補給の失敗談も紹介しよう。

この記事でわかること

  • ロードバイクに最適な補給食の選び方がわかる
  • ロングライド中に摂取すべきタイミングと量が理解できる
  • 初心者でも実践しやすいおすすめ補給食の例が見つかる

補給食の役割とは?

補給食には大きく分けて3つの役割がある。

  1. エネルギー補給(主に炭水化物)
  2. 水分・電解質補給(塩分、ミネラル)
  3. リカバリー栄養補給(タンパク質、BCAAなど)

ライド中は特に炭水化物=糖質の供給が最重要だ。

運動中に使用されるエネルギーの多くはグリコーゲンに依存している。

だが、体内に貯蔵できるグリコーゲンは限られており、90分〜120分の運動で枯渇してしまう。これが「ハンガーノック」状態だ。

そのため、ロングライドでは早め早めの糖質補給が不可欠である。

ロードバイク補給食の選び方【5つのポイント】

1. 吸収の速さとエネルギー量

基本はすぐにエネルギーに変わる「単糖類」や「マルトデキストリン」などの炭水化物。

固形物よりもジェルやドリンクの方が吸収が早く、補給しやすい。

  • 吸収スピード:ジェル>ドリンク>柔らかい固形>固形バー
  • エネルギー目安:1時間あたり40〜60gの炭水化物

長時間の有酸素運動では、いかに素早く、効率よくエネルギーを補給できるかが勝負を分ける。

例えば、カロリーメイトのような固形食はカロリーが高いが、消化に時間がかかるため即効性は低い。

一方、エナジージェルは体内への吸収が速く、摂取後10分程度で効果が現れる。

マルトデキストリンや果糖、ブドウ糖など、吸収の早い炭水化物を中心とした補給食を選ぶことが重要だ。

特にレースやヒルクライムのように出力が高い場面では、吸収の遅さがそのままパフォーマンスの低下につながる。

「1時間に40〜60gの炭水化物」が目安と言われている。

これはエナジージェルで2〜3本分、羊羹やバナナであれば2個程度に相当する。

必要量を逆算し、計画的に持ち歩くことが求められる。

2. 携帯性と扱いやすさ

どれだけ栄養価が高くても、ポケットに入らなければ意味がない。

ライド中の補給は信号待ちや下り坂の手前など、限られた時間・状況で行われる。

パッケージが固い、両手を使わなければ開けられない、ベタつく…そうしたストレスはパフォーマンスの敵だ。

理想は、片手でさっと取り出し、開封してそのまま口に運べる補給食。

ジェルタイプや小型の羊羹はこの条件を満たしており、多くのサイクリストに愛用されている。

逆に、包装に時間がかかるおにぎりやカステラは、休憩ポイントでじっくり食べる用として使い分けると良い。

筆者は片手と歯を使って、おにぎりを開封できるようになった。

3. 味のバリエーション

甘い補給食ばかりだと、途中でどうしても飽きがくる。

特に夏場は汗を大量にかくため、塩気のあるものを欲することが多い。

甘いジェルとしょっぱい塩タブレットやおにぎりを組み合わせることで、味覚のリセットができ、胃も受け付けやすくなる。

ライド中は集中力も削がれやすく、味が変わるだけで気分転換になる。

まるで登山の行動食にチョコと塩せんべいを交互に食べるように、補給にもリズムと変化を持たせたい

4. 価格とコスパ

市販のサイクル用補給食は高性能だが、その分コストも高めである。

100km以上のロングライドでは、1回のライドで1000円〜2000円分の補給が必要になることもある。

頻繁にライドを行う人にとって、これは大きな負担だ。

その点、コンビニのバナナや羊羹、おにぎりは安価かつ必要な糖質を補えるため、コスパに優れている

自宅で作ったおにぎりやサンドイッチをジップロックで持参するサイクリストも少なくない。

筆者はバターロールの中にジャムを多めに塗りたくって、ラップやアルミホイルに開封しやすいように包んで持っていくことも。

補給は「性能」と「価格」のバランスで選ぶことが肝要だ。

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5. 胃腸へのやさしさ

長時間の運動中、消化器官への血流は減少する。

そのため、普段なら問題ない食品でも、ライド中には胃もたれや下痢を引き起こすリスクがある。

特に脂質の多い補給食や、温度変化に弱い乳製品系は注意が必要だ。

「何を摂れば調子がいいのか」は個人差が大きいため、ブルベやイベントの本番前に何度か試走で試しておくのが望ましい

ライド中に腹痛に見舞われるほど辛いことはない。

筆者がジェルや羊かんだと下痢になりやすいことが分かったので、最近は固形で飽きの来ない「おにぎり」を補給食として選んでいる。

コンビニで買える補給食ベストセレクション

ロングライドの途中で立ち寄るコンビニは、実は補給の宝庫である。以下は定番のおすすめ補給食だ。

食品名内容・特徴吸収速度カロリー価格帯
バナナ天然の糖質・カリウムも豊富約90kcal/本約100円
羊羹(ようかん)糖質補給に優れ、携帯性も高い約170kcal/1本約120円
おにぎり(塩・梅など)糖質+塩分が同時に摂取可能約180kcal/1個約150円
カステラ・どら焼き糖質豊富でエネルギー源として優秀約200kcal/個約150円
ゼリー飲料(inゼリー等)吸収が早く胃腸に優しい約180kcal/1袋約200円
塩タブレット熱中症対策として必須少量約100円

コンビニで手に入る食品の中にも、ロングライドに適した補給食は多く存在する。

特にバナナは「自然が作ったエナジーフード」と呼ばれるほど、糖質・カリウム・食物繊維のバランスが優れている。

また、羊羹やカステラは常温保存が可能で、夏場でも安心して携帯できる点がメリットだ。

ゼリー飲料は吸収が早く、コンビニで冷えた状態で手に入るため、真夏の補給として非常に重宝する。

おにぎりは固形食として腹持ちがよく、塩分補給も兼ねられる万能補給食だ。

これらをうまく組み合わせることで、わざわざ高価な補給食を持たずとも、快適なライドを実現できる。

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サプリ系補給食の活用と注意点

BCAAやEAA、クエン酸などを含んだ補給食は、特に筋疲労や集中力の維持に効果を発揮する。

実際、プロのレースではステージごとに異なる成分のジェルを使い分けている。

有効なタイミング

  • スタート前30分: カフェイン入りジェルで覚醒作用を狙う
  • 90分経過以降: BCAAなどで筋分解を抑える
  • フィニッシュ後: プロテインで回復を促進する

ただし、これらは「メインの燃料」ではなく「サポート役」である。

例えるなら、メインディッシュの横に添える副菜のようなものだ。

主食(炭水化物)を抜いてサプリだけで走ろうとすれば、エネルギー不足に陥ることは避けられない。

ロングライド・ブルベでの補給戦略

1. スタート前

エネルギーを満タンにするため、朝食は抜かず、炭水化物中心にしっかり摂る

おにぎり2個、バナナ1本、味噌汁程度で理想的なスタートが切れる。

2. ライド中

1時間あたり300〜400kcal、炭水化物40〜60gを目安に補給。

喉が渇く前に水分を摂取し、汗とともに失われるナトリウムの補給も行う。

特に登りや高負荷が続く場面では、ジェルで先回り補給を意識したい。

3. ライド後

出来れば、ゴール後30分以内にプロテインや糖質を摂ることで回復を早めることが可能。

コンビニの牛乳やおにぎりでも代用できる。

【経験談】300㎞ブルベで補給をミスしてハンガーノックになった

筆者が補給の重要性を身をもって痛感したのは、初めて出場した300kmブルベでのことだ。

前半は気温も穏やかで快調に飛ばしていたが、100km地点を超えたあたりから「少し脚が重いな」と感じ始めた。そのときは「風向きが悪いだけ」と軽く考えていた。

しかし、150kmを過ぎたあたりで異変が起こった。明らかにペダルが回らない

力を入れてもスカスカする感じで、頭もぼんやりし始め少し眠い、ついにはコンビニにたどり着いた時点で自転車を降りてうずくまってしまった。これがハンガーノックだった

振り返ってみると、原因は明白だった。

朝食はおにぎり2個。走りながら食べたのはエナジージェル2本と補給ゼリー1つ。距離に対して明らかにカロリーが足りていなかった。特に補給のタイミングが遅く、空腹を感じる前に摂るという基本を無視していた。

結局、1時間近くコンビニで休憩し、おにぎり2個と甘いコーヒーを摂取して何とか復活したものの、予定より大幅に遅れてゴール。

完走こそできたが、貴重な時間をロスしただけでなく、体力的にも精神的にも大きなダメージを負った。

この経験から、長距離ライドでは「走りながら定期的に食べる」ことの重要性を痛感した。

補給食は決して“おやつ”ではなく、走るための“燃料”だという意識が必要だ。

よくある質問(Q&A)

Q1. ジェルだけでロングライドは可能か?

A. 可能ではあるが、おすすめはしない。

ジェルは吸収が早く優秀な反面、甘味が強く胃に残りやすいため、長時間使用すると飽きやすく、吐き気を催すこともある。

ジェル+おにぎりやカステラなど、固形とのミックスが理想的だ。

Q2. ハンガーノックを防ぐにはどうしたらいいか?

A. 補給のコツは「空腹を感じる前に摂る」ことである。

感覚的には“ちょっと余裕がある”タイミングで補給するのが最も効果的だ。

自分の消費カロリーと摂取量を意識しながら走る習慣を身につけよう。

Q3. 塩分補給はどのようにすればいいか?

A. スポーツドリンクや塩タブレット、おにぎり(梅や昆布)などを活用する。

目安として、1時間に0.5〜1gのナトリウムが必要とされている。

大量の汗をかいたときは、手の甲に塩が浮くこともあり、それがサインだ。

まとめ:補給食は戦略の一部である

ロングライドにおける補給は、走行ルートやペース配分と同様に戦略の一部である。

単に「お腹が減ったら食べる」ではなく、事前に計画を立て、時間ごとの補給計画を用意することで、最後まで快適に走り切ることができる。

ポイント

  • 吸収の速さとエネルギー量に注意
  • 携帯性と片手でも食べられるもの
  • 飽きないようにバリエーション豊かに用意
  • コスパも重要
  • 胃腸へのやさしさもライド後半に影響

また、経験を重ねることで、自分に合った補給のタイミングや食品が見えてくる。

補給こそがロングライド成功のカギである。

  • この記事を書いた人

ミル

ロードバイク歴10年の週末ソロライダー。 ロングライドが苦手だったが、今はブルベを楽しんでいる。2022年SR取得。 ロングライドに挑戦する人を応援したい。 にほんブログ村

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