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【4メーカー比較】ロードバイクのペダル選び!失敗しないための4つのポイント

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ロードバイクの性能を最大限に引き出す上で、ペダルの選択は極めて重要である。

専用シューズで固定するビンディングペダルを導入することで、走りの質は劇的に向上するのだ。

筆者も2015年にロードバイクを始めた当初は、ロングライドが苦手でペダルの重要性を理解していなかった。

しかし、ビンディングペダルを導入してからは、効率的なペダリングが可能になり、今では600kmのブルベを完走できるまでになった。

ペダル交換は、あなたのロードバイク体験を新たな次元へと引き上げる、最も費用対効果の高いカスタムの一つと言えるだろう。

この記事でわかること

  • なぜロードバイクのペダル交換が重要なのか
  • 主要なペダルの種類(ビンディング/フラット)とその特徴
  • 自分のスタイルに合ったペダルの選び方4つのステップ
  • 自分でできるペダルの交換方法と注意点

なぜロードバイクのペダル交換は重要なのか?

結論から言えば、ペダルを交換する最大の理由は「ペダリング効率を最大化」「安全性の向上」のためである。

特に、シューズとペダルを固定する「ビンディングペダル」は、ロードバイクの性能を100%引き出すための必須アイテムだ。

「引き足」が使えることの絶大な効果

ビンディングペダルの最大のメリットは、ペダルを下に踏み込む力だけでなく、上に引き上げる力、すなわち「引き足」を使えるようになることだ。

フラットペダルの場合、動力として使えるのはペダルを踏み下ろす「踏み足」だけである。

しかし、ビンディングペダルを使えば、片足がペダルを踏み込んでいる間、もう片方の足はペダルを引き上げることができる。

これにより、左右の足が連携して常にクランクに力を伝え続けることが可能となり、パワー伝達のロスが大幅に減少するのだ。

疲労軽減と巡航速度の向上

引き足が使えるようになると、特定の筋肉だけに負担が集中することを避けられる。

大腿四頭筋(太ももの前側)だけでなく、ハムストリングス(太ももの裏側)や腸腰筋(股関節のインナーマッスル)など、より多くの筋肉を動員してペダリングできるようになるからだ。

これにより、長距離を走った際の疲労度が全く違ってくる。

筆者自身、初めてビンディングペダルで100kmを走った時、いつもより足が残っている感覚に驚いた経験がある。 ブルベのような数百kmに及ぶロングライドでは、この疲労軽減効果が完走を左右すると言っても過言ではない。

無駄な力が減り、効率的なペダリングが身につくことで、結果的に平均巡航速度の向上にも繋がるのだ。

踏み外しをなくし落車を防ぐ

ペダルの交換は、落車をしないための安全対策のひとつでもある。

ペダルとシューズが固定されていることで、踏み外して落車してしまう心配がなくなる。

ママチャリと比較して高ケイデンスで走るロードバイクでは、誤ってペダルを踏み外し、落車してしまうことがあるのだ。

特に下記のようなシーンでは、ペダル踏み外しによる落車が起こりやすい。

  • ロングライド後半の疲れがたまって集中力が切れているとき
  • ロードバイク初心者で、力任せに踏むペダリングをしているとき
  • ヒルクライムや、カーブの後の加速でパワーをかけるとき
  • ダウンヒルで高ケイデンスで走っているとき など

このように安全で快適なライドを楽しむうえでも、ビンディングペダルを選択することは重要である。

ロードバイク用ペダルの主な種類を徹底解説

ロードバイク用のペダルは、大きく分けて「ビンディングペダル」と「フラットペダル」の2種類に分類される。

それぞれの特徴を理解することが、最適なペダル選びの第一歩だ。

ビンディングペダル:走りを変える本命

前述の通り、専用シューズの裏に取り付けた「クリート」と呼ばれる金具を、ペダル本体の機構に固定(ビンディング)するタイプのペダルである。

圧倒的なペダリング効率とバイクとの一体感が得られるため、本格的にロードバイクを楽しむなら最終的にはこのタイプに行き着くだろう。

主要なメーカーと規格が存在し、それぞれに互換性はないため、慎重な選択が必要だ。

主要ビンディングペダルメーカーと特徴

各社からさまざまな規格のビンディングシステムが発売されている。

それぞれの特徴やおすすめの人、さらに価格的に手ごろな代表モデルのAmazonリンクを示す。

種類がいっぱいあって迷うようであれば、メーカーは入手性の良いSHIMANO、規格は普段のライドの目的によってSPD(ライド中によく歩く)かSPD-SL(ライドの走行性重視)で選ぼう。

メーカー規格
(代表モデル)
特徴メリットデメリットこんな人におすすめ
SHIMANOSPD-SL
(PD-RS500)
・ロードバイク用ビンディングの定番 ・広い踏み面で安定性とパワー伝達に優れる ・クリートの種類で可動域を選べる・安定感が高い ・パワー伝達効率が良い ・入手性が良い・クリートが大きく歩きにくい ・着脱に少し慣れが必要・レース志向 ・ロングライド ・本格的に走りたい人
SHIMANOSPD
(PD-EH500)
・MTBやクロスバイクで主流 ・クリートが小さくシューズに埋め込める ・両面キャッチのモデルも多い・歩きやすい ・着脱が容易 ・泥詰まりに強い・踏み面が狭く、パワー伝達効率はSPD-SLに劣る・通勤、通学 ・ツーリング、街乗り ・ビンディング初心者
LOOKKEO
(KEO 2 MAX)
・ビンディングペダルを最初に開発したメーカー ・軽量なモデルが多い ・SHIMANOと似た使用感・軽量 ・豊富なラインナップ ・プロ選手の使用率も高い・SHIMANOより若干耐久性に劣るという声も ・歩きにくさはSPD-SL同様・レース志向 ・ロングライド ・本格的に走りたい人・SHIMANO以外を試したい人
TIMEXPRO / XPRESSO
(XPRESSO 2)
・独自のフローティング機構 ・膝への負担が少ないとされる ・軽いステップイン(はめやすさ)が特徴・膝に優しい ・着脱が非常に軽い ・ペダルが軽量・クリートの消耗が早い ・価格が比較的高め・膝に不安がある人 ・軽い着脱感を求める人
WahooSPEEDPLAY
(SPEEDPLAY COMP)
・両面キャッチが可能 ・クリート側で可動域を細かく調整可能 ・ペダル軸の長さを選べるモデルもある・両面キャッチで楽 ・コーナリング中のペダリングで地面に擦りにくい(コーナーリングクリアランスが広い) ・Qファクター(左右のペダル間距離)や可動域の調整幅が広い・クリートが大きく高価 ・クリートのセッティングがやや複雑 ・歩きにくい・膝への負担を極力減らしたい人 ・細かなフィッティングを追求したい人

フラットペダル:手軽さと日常使いの味方

スニーカーなど普段履きの靴で乗れる、ごく一般的な形状のペダルだ。

最大のメリットは、何と言ってもその手軽さにある。

しかし、スポーツとしての走行性能を考えると、ビンディングペダルに軍配が上がるのは事実だ。

  • メリット
    • 専用シューズが不要で、すぐに乗り出せる。
    • 足の置き場が自由で、信号待ちなどで足を着くのが楽。
    • 立ちゴケのリスクがない。
  • デメリット
    • 引き足が使えず、ペダリング効率が悪い。
    • 高速走行時や荒れた路面で足がペダルから滑ることがある。
    • 雨の日は特に滑りやすく危険を伴う。

ただし、「フラットペダルはダメ」というわけではない。

街乗りやごく短い距離の移動がメインであれば、フラットペダルの手軽さは大きな魅力である。

なお、片面フラットペダルで、片面SHIMANO SPDのハイブリッドなペダルもある。どちらも使いたい人におすすめだ。筆者はビンディングが不安なこともあって、最初のペダルはこれだった。

初心者向け!失敗しないロードバイク用ペダルの選び方4つのステップ

数あるペダルの中から自分に最適な一品を見つけるための、具体的な選び方を4つのステップで解説する。

ステップ1:乗り方のスタイルで選ぶ(ロングライドか、街乗りか)

まずは、自分がロードバイクで何をしたいのかを明確にすることが重要だ。

  • レースや本格的なロングライドがしたい場合 パワー伝達効率と安定性に優れる「SPD-SL」や「LOOK KEO」が第一候補となる。 広い踏み面が足裏をしっかりと支え、長時間のペダリングでも疲れにくい。 筆者がブルベで使うのも、このタイプのペダルだ。 数百kmを走り続ける中で、足裏の安定感はパフォーマンスに直結する。
  • ツーリングや街乗り、通勤がメインの場合 走りやすさと歩きやすさを両立したいなら「SPD」が最適解となるだろう。 カフェに立ち寄ったり、観光地を散策したりする際に、カツカツと音を立てて歩きにくいSPD-SLのクリートは想像以上にストレスになる。 筆者も最初の頃、SPD-SLで意気揚々とカフェに入り、タイル張りの床で滑りそうになって恥ずかしい思いをした経験がある。 ライドの途中で歩くことが多いなら、迷わずSPDを選ぶべきだ。

ステップ2:歩く頻度で選ぶ(SPD vs SPD-SLの決定的違い)

ステップ1と重なる部分もあるが、「ライド中にどれだけ歩くか」はペダル選びの重要な判断基準である。

この2つの規格の最大の違いは、シューズとクリートの構造に起因する「歩行性」にある。

  • SPD-SL(歩きにくい): クリートが大きく靴底から突出しているため、歩行は困難。ペンギンのような歩き方になり、長距離を歩くのには全く向いていない。
  • SPD(歩きやすい): クリートが小さく、靴底の凹んだ部分に取り付けられるため、歩行時にクリートが直接地面に当たりにくい。見た目もスニーカーに近いデザインのシューズが多い。

自分のライドスタイルを想像してみてほしい。

自転車を降りてからの快適性を重視するならSPD、1mmでも走行性能を優先するならSPD-SL、という考え方で良いだろう。

ステップ3:着脱のしやすさ(固定力)で選ぶ

ビンディングペダル初心者が最も恐れるのが「立ちゴケ」である。

信号で止まろうとした際に、ペダルからシューズが外れずに転んでしまう現象だ。

この恐怖心から、ビンディングペダルへの移行をためらう人も少なくない。

しかし、これは「慣れ」の問題であり、適切な設定と練習で誰でも克服できる。

ほとんどのビンディングペダルには、クリートを固定するバネの強さ(固定力)を調整する機能が付いている。

最初は、この固定力を「最弱」に設定することだ。

最弱にすれば、驚くほど軽い力で着脱できるようになる。

そして、壁や手すりにつかまりながら、何度も着脱の練習を繰り返すのだ。

「止まる前に外す」という動作を体に染み込ませれば、立ちゴケのリスクは大幅に減らすことができる。

筆者ももちろん立ちゴケの経験者だが、今となっては笑い話である。

立ちゴケと言えば、信号停車時にビンディングであることを忘れての失敗。筆者の場合は、ビンディング導入で引き足を試すのに激坂に突っ込んで、かなりの勾配だったので走り続けることが出来ず低速になり、派手に立ちゴケ。

誰しもが通る道だと割り切って、挑戦してほしい。

ステップ4:予算と重量で選ぶ

ペダルの価格は、使用される素材によって大きく変動する。

  • エントリーモデル: 主にアルミやクロモリ素材が使われ、比較的安価で耐久性が高い。重量はやや重くなる。
  • ハイエンドモデル: ボディにカーボンコンポジット、シャフトにチタンなどを使用し、非常に軽量。その分、価格は高価になる。

初心者の場合、いきなり最高級モデルを選ぶ必要は全くない。

シマノで言えば「PD-RS500 (SPD-SL)」や「PD-EH500 (SPD&フラット)」といったエントリーグレードのモデルでも、性能は十分すぎるほど高い。

まずはこれらのモデルでビンディングに慣れ、より軽量性や性能を求めたくなった時に、上位モデルへのアップグレードを検討すれば良いだろう。

数グラムの軽量化に数万円を投じるのは、それからでも遅くはない。

【実践編】ロードバイクのペダル交換方法と注意点

ペダルの交換は、比較的簡単な作業であり、自分で行うことができる。

正しい手順と注意点を守れば、ショップに頼らずとも安全に交換可能だ。

準備する工具

  1. ペダルレンチ、または8mm(6mmの場合もある)のヘックスレンチ(六角レンチ): ペダルの種類によって使用する工具が異なる。
  2. グリス: ネジ山の固着を防ぐために必須。

交換手順

  1. 古いペダルを外す
    • 最重要ポイント: 右ペダルは「反時計回り」、左ペダルは「時計回り」で緩む。
    • 一般的なネジとは逆なので注意が必要だ。「進行方向に対して後ろに回す」と覚えると良い。
    • 固着している場合は、レンチに体重をかけて一気に力を加えるのがコツである。
  2. クランクのネジ穴を清掃する
    • パーツクリーナーとウエス(布)を使い、ネジ穴に残った古いグリスや汚れを綺麗に拭き取る。
  3. 新しいペダルのネジ山にグリスを塗る
    • ネジ山に薄くグリスを塗布する。
    • これを怠ると、次にペダルを外す際にネジが固着してしまい、大変な労力を要することになる。筆者も初心者の頃にこれを怠り、ショップに泣きついた苦い経験がある。
  4. 新しいペダルを取り付ける
    • ペダルには左右がある(Rが右、Lが左)。間違えないように確認する。
    • 最初は手で回せるところまで締め込む。
    • 最後にレンチを使って本締めする。右ペダルは「時計回り」、左ペダルは「反時計回り」で締まる。
    • 力任せに締めすぎず、メーカーの指定トルク(もしトルクレンチがあれば)を守るのが理想だ。

ロードバイクのペダルに関するQ&A

Q1. どうしても立ちゴケが怖いのですが、どうすればいいですか?

A1. 結論として、練習あるのみ(慣れること)である。

前述の通り、まずは固定力を最弱に設定すること。

そして、停止するかなり手前から、あらかじめ外す方の足(利き足と逆が一般的)を決めておき、ペダルから外す癖をつけることだ。

「止まる→外す」ではなく「外す→止まる」の順番を体に叩き込むのが重要である。

最初は車や人通りのない安全な場所で、何度も乗り降りして練習しよう。

数回乗れば、無意識にできるようになるはずだ。

Q2. ペダルのメンテナンスは必要ですか?

A2. 基本的には非常に耐久性の高いパーツだが、定期的な清掃と、年に1回程度のグリスアップ(分解・洗浄)を行うのが理想である。

特に雨天走行後は、内部に水が浸入してベアリングの劣化を早める可能性があるため、表面の汚れを拭き取っておくだけでも長持ちする。

ペダルを回した時に「ゴリゴリ」とした感触がある場合は、ベアリングが傷んでいるサインなので、専門のショップに相談することをお勧めする。

Q3. クリートの交換時期の目安は?

A3. クリートは消耗品である。

メーカーやモデルによって異なるが、クリートの先端や側面にある「インジケーター」と呼ばれる色付きの部分が摩耗したら交換のサインだ。

また、ペダルとの着脱が緩くなったり、歩行中に滑りやすくなったりした場合も交換時期と言える。

摩耗したクリートを使い続けると、走行中に意図せずペダルから外れてしまう危険があるため、定期的に点検しよう。

Q4. 結局、フラットペダルではダメなのでしょうか?

A4. ダメということは全くない。

ロードバイクの楽しみ方は人それぞれであり、スピードや効率だけが全てではない。

服装を気にせず気軽に乗りたい、街中をのんびり散策したい、という楽しみ方であれば、フラットペダルの方が適している場合も多い。

重要なのは、自分の目的やスタイルに合った機材を選ぶことである。

ただし、もしあなたが「今よりも速く、遠くへ、楽に走りたい」と少しでも考えているのなら、ビンディングペダルへの交換は、その期待に応えてくれる最高の投資となるだろう。

まとめ:自分に最適なロードバイクのペダルを見つけて、新たなライド体験を!

ロードバイクのペダル選びは、奥が深く、そして非常に楽しいプロセスである。

本記事で解説した4つのステップを参考に、自分のライディングスタイルや目的に合ったペダルを選んでほしい。

  • 走りの効率を劇的に変えるならビンディングペダル一択。
  • 歩く頻度を考えて「SPD」か「SPD-SL」かを選ぶ。
  • 立ちゴケの不安は「固定力調整」と「練習」で必ず克服できる。
  • ペダル交換は、正しい工具と手順さえ守れば自分でも可能だ。

ペダルとシューズが一体となる感覚は、ロードバイクの持つ本来の性能と楽しさを教えてくれる。

筆者にとって、ビンディングペダルは600km先のゴールまで連れて行ってくれる、信頼できる相棒だ。

あなたもこの記事を参考に最適なペダルを見つけ、これまでとは違う、新たなロードバイクの世界へ踏み出してほしい。

最初のSPD-SLペダルにぴったりなPD-RS500。価格も手ごろで、もちろんクリートも付属。

片面SPD、片面フラットペダルのハイブリッドなペダル。どっちも使いたい人にはかなりおすすめの商品。(筆者も愛用していた)

筆者が愛用しているビンディングペダル「LOOK KEO BLADE CARBON」を長期間使用レビューはこちら。デザインだけではない、機能性でも選ぶ価値のある一品だ。

  • この記事を書いた人

ミル

ロードバイク歴10年の週末ソロライダー。 ロングライドが苦手だったが、今はブルベを楽しんでいる。2022年SR取得。 ロングライドに挑戦する人を応援したい。 にほんブログ村

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