ロードバイクは「楽しい」と「めんどくさい」の両方だ。
ロードバイクは、風を切って走る爽快感や長距離を自力で駆け抜ける達成感が魅力の趣味である。
しかし、その一方で「正直めんどくさい」と感じるポイントも多い。
初心者はもちろん、経験者であっても、日常の中でロードバイクに関する煩わしさに直面する場面は少なくない。
本記事では、「ロードバイクはめんどくさい」と感じる典型的なシーンを紹介しながら、それらをできるだけ快適にするためのヒントや対処法を提案する。
この記事でわかること
- ロードバイクが「めんどくさい」と感じる主な理由10選
- 各問題に対する具体的な対処法と工夫のコツ
- 継続するための現実的な考え方や習慣化のヒント
ロードバイクがめんどくさいと感じる10の理由と解決策
1. 準備が多すぎる

走りに行くだけなのに、ウェア・ヘルメット・サングラス・グローブ・補給食など、用意するものが多すぎる。
しかも季節によってインナーやアウターの選択も変わり、雨具やウインドブレーカーも必要になる。
筆者も最初の頃は、出発までに30分以上かかっていた。着るものを迷って出発が遅れたり、出先でボトルを忘れたことに気づいたり、毎回何かしらの失敗があった。対策として、今では「気温帯別の装備リスト」をスマホにメモしており、それに沿って前日の夜に全て揃えておくようにしている。準備のルーティン化は、最大の「めんどくさい」対策である。
解決策:装備はチェックリスト化し、常にバッグにスタンバイしておく。天気や気温ごとにパターン化すれば手間が減る。
ウェアも毎回固定化するのもよい。下記は筆者がほぼ必ず着用しているインナーウェア。
2. メンテナンスが必須で手間

チェーンの洗浄、ブレーキや変速機の調整、タイヤの空気圧チェックなど、定期的なメンテナンスを怠ると性能が大きく低下する。
最悪の場合はトラブルが起きてしまう。
筆者が初心者のころ、チェーンに注油を忘れて100kmライドに出かけ、後半は異音が止まらず、結果的にディレイラーハンガーを曲げてしまったことがある。以降、「乗る前に3つだけ」ルールを決めている。「空気圧」「チェーン」「ブレーキ」の3つだけは毎回チェックすると決めておけば、最低限の安心感は確保できる。
解決策:最低限のメンテナンスだけに絞る。例えば「チェーンの注油は○○kmごと」とルールを作り、可視化すれば習慣化しやすい。
チェーンがほとんど汚れないワックスタイプのルブ。使い方も注油と同じで簡単!
3. パンク修理がめんどくさい

長距離ライド中のパンクは、初心者にとって最も厄介なトラブル。
修理スキルがないと不安ばかりが増す。
筆者も最初のブルベでパンクに見舞われ、焦って新品のチューブをダメにしてしまった経験がある。これをきっかけに、パンク修理の練習を自宅で行い、道具の使い方や手順を完全に体に覚え込ませた。
解決策:最初のうちはチューブラーやチューブレスタイヤではなく、クリンチャー+耐パンクタイヤを選ぶ。さらにCO2ボンベやタイヤレバーの使い方は自宅で練習しておくと安心だ。
筆者が愛用しているインナーチューブ。軽量性と耐久性のバランスがよい!
4. 時間がかかる趣味である

ロードバイクは、ちょっと走るだけでも2〜3時間、ロングライドになれば6〜10時間は平気で消える。
「趣味としては贅沢すぎる時間の使い方だ」と感じてしまう人も多いだろう。
家族との時間との両立が難しい。
筆者も休日に一人で100km走って帰宅した際、家族から「一日中いなかったね」と言われ、後ろめたさを感じたことがある。以降は「土曜の早朝に100kmライド」「朝10時には帰宅」というルールを設定したことで、家族とのバランスも取れるようになった。時間を短くするが、強度を高めることで満足感を増やすのもアリ。
解決策:早朝ライドを習慣化することで、家族に迷惑をかけずに時間を確保できる。1〜2時間で完結するルートをいくつか持っておくのも有効だ。
5. 高価な機材が多い

バイク本体はもちろん、ホイール・ウェア・GPS・ヘルメットなど、揃えようと思えばきりがない。コスト面で続けづらくなる。
筆者も最初は10万円台のクロモリロードだったが、気づけば「軽量ホイールが欲しい」「パワーメーターを付けたい」と欲が止まらなくなっていた。そこで、あえて“予算を決めて使い切る”スタイルに変更し、「この年は10万円まで」とルールを定めたことで、無駄遣いも減り、楽しみ方にも幅が出てきた。グレードで迷ったなら、予算の範囲で高いモデルを買った方が結果的に安上がりなことも。
解決策:中古品やレンタル、Amazonセールなどをうまく活用する。必要最小限の装備で楽しむ「ミニマルロードバイク」スタイルも人気がある。
サングラスは効果が分かりやすいし、その中でもオークリーのスートロはAmazonで半額程度で買えるおすすめの一品!
6. 季節や天候に左右されすぎる

夏は暑すぎて危険、冬は寒さがつらく、雨や風があるとそもそも走る気が失せる。
筆者は梅雨時期に走るチャンスを逃し、モヤモヤが募った経験がある。そんな時は、室内トレーナー(固定ローラー)を導入することで、毎日30分だけでも脚を回せるようになり、天候ストレスから解放された。Zwiftなどのバーチャルライドは、ゲーム感覚で走れるので飽きにくい。
解決策:室内トレーナーを導入すれば、天候に左右されずに走れる。Zwiftなどのバーチャルライドを活用するのもひとつの手だ。
近年は格安なスマートローラーが発売されている。高価であきらめていた人は、価格をチェックしてみてほしい。
7. 交通トラブルや危険が多い

車との接触リスク、歩行者とのトラブル、煽り運転など、神経を使う場面が多い。
筆者も一度、交差点で右折してきた車と接触しそうになり、冷や汗をかいたことがある。かもしれない運転を心掛けよう。また、車の運転者と目を合わせることも、意外と意思疎通できるようになるもの。
解決策:なるべく交通量の少ない道や自転車道を選ぶ。また、ドラレコ付きのリアライトなどを使えば安心感も増す。
8. ロードバイク仲間がいないとモチベーションが続かない

ソロで続けていると飽きたり、面倒になったりしがちだ。
筆者もかつては週末のソロライドが義務のようになってしまい、楽しさが感じられなくなった時期があった。レースやロングライドなど、様々なイベントが各地で開催されているので、チェックして参加してみよう。筆者はブルベを定期的に走ることで、モチベーション維持している。
解決策:SNSやStrava、ライドイベントなどを活用して緩やかなつながりを持つだけでもモチベーションは維持できる。ウェアやパーツ交換を楽しみの一つにしてもよい。
高級タイヤへの交換は、効果が分かりやすいし、手ごろなのでおすすめ!
9. 輪行が面倒すぎる

遠出しようとすると、輪行袋の準備や分解・再組み立てが面倒で尻込みしてしまう。
特に初心者にとっては「前後輪の脱着」「フレーム保護」「輪行袋の収納方法」など覚えることが多く、敷居が高い。
筆者も最初の輪行で、駅前で20分以上手間取り、電車の出発になんとか間に合った経験がある。現在は、軽量な輪行袋と、エンド金具を標準装備とし、練習を重ねて「5分以内で収納」できるようになった。
解決策:輪行しやすいバイク(簡易着脱ホイール、スルーアクスル用のエンド金具など)と軽量な輪行袋を導入すると、ハードルが下がる。自宅での練習も重要。
10. 継続的な体力維持が必要

乗らない期間が続くと、すぐに体力や脚力が落ちる。
乗らない自分に罪悪感を覚える人も多い。
筆者も真冬に1ヶ月まったく乗らなかったあと、春先の100kmライドで脚が攣ってリタイアしたことがある。それ以来、通勤や週末に「30分でもいいから乗る」スタイルに変更し、基礎体力の維持を心がけている。短時間でも継続は大きな差になる。ローラーに少しだけ乗るのでも十分。
解決策:短時間でもローラー台や通勤バイクを活用すれば維持可能。「月○回乗る」など具体的な目標設定が鍵だ。
よくある質問(Q&A)

Q. やっぱりロードバイクはめんどくさい趣味なの?
A. たしかに手間は多いが、そのぶん達成感や自己成長も大きい。
ポイントは「全部を完璧にやろうとしない」こと。
自分なりの楽しみ方を見つけることが何より重要だ。
Q. 続けるコツはある?
A. 「乗る時間」「メンテナンスする時間」「走る目的」をパターン化・ルーティン化することで、圧倒的にラクになる。
たとえば「日曜午前は近所の峠」と決めておくと行動に迷いがなくなる。
ライドの目的として、カフェやランチなどお気に入り・気になっていたお店に行くのもよい。
Q. めんどくさがりでも続けられる?
A. むしろ「めんどくさがり」だからこそ工夫すれば楽に続けられる。
ズボラな人ほど、準備をテンプレ化する、装備を常にスタンバイさせるなど、仕組み化が効果的だ。
まとめ:めんどくささを理解すれば、ロードバイクはもっと楽しめる

ロードバイクは確かに「めんどくさい」趣味である。
しかし、その面倒くささを理解し、工夫することで、むしろ楽しさや達成感が倍増することも多い。
完璧を求める必要はない。
「できる範囲で楽しむ」「無理をしない」姿勢こそ、ロードバイクを長く続ける秘訣だ。
めんどくささを感じたときこそ、自分のやり方を見直す好機である。
この記事が少しでもその助けになれば幸いだ。