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LOOK KEO BLADE CARBONを5年使って分かった4つの真実!後悔しないための徹底レビュー

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ロードバイクの性能を左右する重要なパーツ、ビンディングペダル。

その中でも、フランスの老舗ブランドLOOKが誇る「KEO BLADE CARBON」は、多くのサイクリストにとって憧れの存在だろう。

筆者は2015年にロードバイクの世界に足を踏み入れ、当初はロングライドに苦手意識を持っていた。しかし、今ではブルベを中心に楽しみ、600kmを走破してSR(シューペル・ランドヌール)の称号を得るまでになった。

そんな筆者が、長年愛用し続けているのがこの「KEO BLADE CARBON」である。

今回は、単なる製品紹介ではなく、5年以上を共にしたからこそ語れるリアルな使用感、メリット・デメリット、そしてライバルであるSHIMANOとの比較を交えながら、このペダルの真実に迫っていく。

この記事でわかること

  • LOOK KEO BLADE CARBONの性能と構造的な特徴
  • SHIMANOペダルとの決定的な違いと比較
  • 5年間使い込んで見えたリアルなメリット・デメリット
  • 後悔しないためのモデルやテンションの選び方

LOOK KEO BLADE CARBONとは? 3つの特徴で見る基本性能

KEO BLADE CARBON」は、ただデザインが優れているだけのペダルではない。

その核心には、LOOK社が長年培ってきた革新的な技術が詰まっているのだ。

まずは、このペダルの根幹をなす3つの特徴を解説する。

特徴1:圧倒的な軽さと剛性を生むカーボンブレードテクノロジー

このペダル「KEO BLADE CARBON」の最大の特徴は、モデル名にもなっている「カーボンブレード」である。

一般的なビンディングペダルは、クリートを固定するために金属製のスプリングを使用している。

しかし、「KEO BLADE CARBON」は、このスプリングの代わりにしなやかで強靭なカーボン製の板バネ(ブレード)を採用しているのだ。

これにより、2つの大きなメリットが生まれる。

一つは「軽量化」である。

金属スプリングをカーボンに置き換えることで、大幅な軽量化を実現している。

もう一つは「高い剛性感と固定力」だ。 カーボンブレードはたわみが少なく、クリートをカッチリと保持する。

これにより、ペダリングパワーをロスなく伝達し、スプリント時などの高負荷な場面でも安定したペダリングを可能にする。

特徴2:パワー伝達効率を高める広い接触面積と低いスタックハイト

ペダルにおいて、パワー伝達効率は極めて重要な要素である。

KEO BLADE CARBON」は、非常に広いペダル踏面(プラットフォーム)を持っている。

これにより、クリートとの接触面積が広がり、シューズのソールにかかる圧力が分散される。

結果として、足裏の特定の箇所に痛みが出る「ホットスポット」を軽減し、長時間のライディングでも快適性を維持できるのだ。

さらに、「スタックハイト」の低さも特筆すべき点である。

スタックハイトとは、ペダル軸の中心からシューズのソールまでの距離を指す。

この距離が短いほど、ライダーの足とペダル軸が近くなり、よりダイレクトで効率的なペダリングが可能になると言われている。

KEO BLADE CARBON」は、このスタックハイトを極限まで低く設計しており、ペダルとの一体感を高めている。

特徴3:空力性能を追求したエアロダイナミクスデザイン

一目見ればわかる、その流麗なフォルム。

KEO BLADE CARBON」のデザインは、単なる美しさのためだけではない。

ペダル下面にカーボンブレードを内蔵し、全体を滑らかな形状にすることで、空気抵抗を極限まで削減するよう設計されている。

コンマ1秒を争うレースシーンにおいては、こうした細部の空力性能が勝敗を分けることもある。

もちろん、ホビーサイクリストにとっても、このエアロデザインは所有欲を満たし、ライディングへのモチベーションを高めてくれる要素となるだろう。

5年間以上を共にした筆者のLOOK KEO BLADE CARBONリアルレビュー

机上のスペックだけでは、ペダルの真価はわからない。

ここからは、筆者がブルベや日々のトレーニングで、実に5年以上を共にしてきた経験から見えた、リアルな評価を述べていく。

【結論】デザインだけじゃない!機能性も満足できる逸品である

結論から言おう。 「KEO BLADE CARBON」は、最高のペダルの一つである。

多くの人が惹かれるであろう美しいデザインはもちろんのこと、その性能は非常に高く、筆者のライディングスタイルに完璧にマッチしている。

特に、確実な固定力とダイレクトな踏み心地は、一度体験すると他のペダルには戻れないと感じるほどだ。

もちろん、いくつかの注意点やデメリットも存在するが、それらを理解した上で選ぶならば、これほど満足度の高いペダルは他にないだろう。

メリット:所有欲を満たすデザインと確かな固定力

長年使用して感じたメリットは数多いが、特に以下の4点が挙げられる。

唯一無二の美しいデザイン

これは多くのユーザーが同意する点だろう。機能美を追求したそのフォルムは、どんなハイエンドバイクにもマッチする。

信号待ちでふと足元に目をやった時の満足感は格別である。

「パチン!」とハマる確実なクリートキャッチ

カーボンブレードがクリートを捉える感触は、金属スプリングとは一線を画す。

硬質で明確なクリック感があり、「しっかりハマった」という安心感が非常に高い。

長距離でも疲れない安定した踏み面

これはブルベを走る上で非常に重要な要素だ。広い踏面のおかげで、24時間以上走り続ける600kmブルベの終盤でも、足裏の痛みや疲れを感じにくい。

安定したプラットフォームが、ペダリングのブレを抑制してくれるのだ。

高い剛性感とダイレクトな踏み心地

ペダルに力を込めた瞬間、たわむことなくダイレクトに推進力に変わる感覚。これはカーボンボディとカーボンブレードの組み合わせによる恩恵だろう。

ヒルクライムやスプリントで、その真価を最も体感できる。

デメリット:購入前に知っておきたい3つの注意点

しかし、完璧な製品というものは存在しない。

このペダル「KEO BLADE CARBON」にも、購入前に知っておくべき注意点がある。 これらは筆者が実際に体験した「失敗談」でもある。

初期の回転が驚くほど渋い

これは声を大にして言いたい。

新品で購入した当初、手で回しても全く回転しないほどベアリングの動きが渋かった。

「これは不良品か?」と本気で疑ったほどである。

しかし、これはLOOKペダルの特徴でもあるようだ。

数百キロほど走行するとベアリングのグリスが馴染み、驚くほどスムーズに回転するようになる。

初期の渋さで判断を誤らないでほしい。

クリートの入手性と価格

最大のライバルであるSHIMANOと比較した際の、明確なデメリットだ。

LOOKのKEOクリートは、SHIMANOのSPD-SLクリートに比べて、置いている店舗が少ない傾向にある。

また、価格もやや高めだ。

出先での急なクリート破損などを考えると、SHIMANOに比べて安心感にかけるのは事実だ。

テンション調整が容易ではない

SHIMANOペダルの多くは、アーレンキー1本で簡単に固定力の強弱(テンション)を調整できる。

しかし、「KEO BLADE CARBON」のテンションは、内部のカーボンブレードそのものを交換することで変更する。

つまり、調整するには別途ブレードを購入し、専用工具を使って分解する必要があるのだ。

ライバル比較!SHIMANO DURA-ACEペダルとLOOK KEO BLADE CARBONを徹底比較

ビンディングペダル選びにおいて、SHIMANOは避けて通れない存在だ。

ここでは、同価格帯のハイエンドモデルであるSHIMANO DURA-ACE PD-R9100と比較してみよう。

どちらが良い・悪いではなく、それぞれの思想や特徴の違いを理解することが重要である。

比較項目LOOK KEO BLADE CARBON (Ti)SHIMANO DURA-ACE PD-R9100筆者の所感
重量(ペア)約190g約228g重量面ではLOOKに軍配が上がる。ヒルクライムでのアドバンテージは大きい。
スタックハイト14.8mm14.6mm数値上は僅かにSHIMANOが低いが、体感できる差はほぼないと言える。
固定力調整ブレード交換(8,12,16Nm)ネジで無段階調整調整のしやすさ、手軽さはSHIMANOが圧倒的に優れている。
クリートの入手性やや探しにくい非常に容易全国どこでも手に入りやすいSHIMANOの安心感は絶大。
クリートの価格やや高価比較的安価ランニングコストを考えるとSHIMANOが有利。
デザイン性流麗で先進的質実剛健で機能的これは完全に好みの問題。筆者はLOOKのデザインに惚れ込んでいる。
メンテナンス性比較的複雑非常に容易SHIMANOはユーザー自身での分解・整備がしやすい構造になっている。

結論として、両者には明確な個性がある。

LOOK KEO BLADE CARBONが向いている人

  • 少しでも軽いパーツを使いたいヒルクライマー
  • デザイン性を最優先したい人
  • ダイレクトでカッチリとした踏み心地を求める人

SHIMANO DURA-ACEが向いている人

  • メンテナンス性や調整のしやすさを重視する人
  • クリートなどの消耗品を気軽に入手したい人
  • 信頼性と耐久性を重視し、長く安心して使いたい人

どちらの選択も間違いではない。 自身の価値観やライディングスタイルと照らし合わせて選ぶべきだ。

後悔しないためのLOOK KEO BLADE CARBON選び方ガイド

もしあなたが「KEO BLADE CARBON」を選ぶと決めたなら、次にモデルとテンションを選ぶ必要がある。

ここでの選択が、今後の満足度を大きく左右する。

モデルの選び方(チタンシャフト vs クロモリアクスル)

KEO BLADE CARBON」には、主にペダルシャフトの素材が異なるモデルが存在する。

チタンシャフトモデルと、クロモリアクスルモデルだ。

両者の最大の違いは「重量」と「価格」である。

  • チタンシャフトモデル: 非常に軽量(ペアで約190g)。その分、価格は高価になる。1gでもバイクを軽量化したい、レースでのアドバンテージを求めるストイックなライダー向け。
  • クロモリアクスルモデル: チタンよりは重くなるが(ペアで約220g)、それでも十分に軽量。価格は比較的抑えられている。耐久性に関してもクロモリの方が優れているという見方もある。ホビーライドから本格的なレースまで、多くのサイクリストにとってはこちらで十分な性能だと言える。

筆者はクロモリモデルを使用しているが、ブルベのような長距離ライドにおいて重量差が気になったことは一度もない。

コストパフォーマンスを考えれば、クロモリアクスルモデルが賢明な選択だろう。

ブレードテンションの選び方(Nm)

前述の通り、このペダルはカーボンブレードで固定力を決めている。

一般的には、以下のテンションが用意されている。

  • 8Nm: 最も弱いテンション。ビンディングペダル初心者や、体重の軽い女性におすすめ。
  • 12Nm: 標準的なテンション。多くの完成車に付属しているのがこのモデル。ツーリングからレースまで幅広く対応できる。迷ったらこれを選ぶのが無難だ。
  • 16Nm: 強めのテンション。スプリントや高強度のトレーニングで、不意にペダルが外れるのを防ぎたい上級者やプロ選手向け。
  • 20Nm: 最強のテンション。トラック競技など、極めて高い固定力が求められる特殊な用途向け。

筆者は12Nmを使用している。 600kmブルベでは、疲労がピークに達した深夜の信号待ちなど、不意の停車で素早く足を着きたい場面が多々ある。 12Nmは、確実な固定力を持ちつつも、いざという時にはスムーズにリリースできる絶妙なバランスだと感じている。

自分の脚力や主な用途をよく考えて、最適なテンションを選ぶことが重要だ。

LOOK KEO BLADE CARBONに関するQ&A

ここでは、購入を検討している人が抱きがちな疑問について回答する。

Q1. ベアリングのメンテナンスは必要?

A. 必要である。

ただし、ユーザー自身での分解は推奨されていない。

構造がやや複雑であり、専用工具も必要となるためだ。

筆者は、1年に1回程度、信頼できるプロショップにオーバーホールを依頼している。

日々のメンテナンスとしては、ライド後の簡単な清掃で十分だろう。

特に雨天走行後は、汚れを拭き取り、可動部に注油しておくと良い状態を長く保てる。

Q2. クリートの種類と選び方は?

A. LOOKのKEOクリートには、主に3つの種類がある。

色によって、ペダルに固定された際の足の遊び(フローティング角度)が異なる。

  • ブラック(0°): 遊びが全くない。ペダリング効率は最も高いが、正確なクリートセッティングができないと膝を痛める原因になる。上級者向け。
  • グレー(4.5°): 標準的なモデル。適度な遊びがあり、多くのサイクリストの膝に合う。最初に試すならこのグレーがおすすめだ。
  • レッド(9°): 最も遊びが大きい。膝に不安を抱えている人や、自由度の高いセッティングを好む人向け。

Q3. 偽物や並行輸入品に注意すべき?

A. 注意すべきである。

人気のハイエンドパーツには、残念ながら精巧な偽物が存在する。

ペダルはライダーの全体重を支える重要な保安部品であり、偽物の使用は重大な事故につながる危険性がある。

また、正規ルート以外で購入した並行輸入品は、国内での保証やサポートが受けられない場合がある。

価格が安すぎる製品には手を出さず、信頼できる正規取扱店での購入を強く推奨する。

まとめ:LOOK KEO BLADE CARBONはロマンと性能を両立した最高のペダルである

ここまで、筆者の長年の経験を基に「KEO BLADE CARBON」を徹底的に解説してきた。

初期の回転の渋さ、クリートの入手性、調整の煩わしさといった、いくつかのハードルは確かに存在する。

しかし、それらを補って余りあるほどの魅力が、このペダルには詰まっているのだ。

流麗なデザインは所有欲を満たし、カーボンブレードが生み出すダイレクトな踏み心地は、バイクとの一体感を高めてくれる。

広い踏面は、ブルベのような超長距離ライドにおいても、ライダーを足元から支え続けてくれるだろう。

もしあなたが、SHIMANOの絶対的な安心感よりも、フランスブランドならではの美しさとロマン、そして先鋭的な性能を求めるサイクリストであるならば、「KEO BLADE CARBON」は、あなたのサイクルライフをより豊かで刺激的なものにしてくれる、最高の相棒となるはずだ。

  • この記事を書いた人

ミル

ロードバイク歴10年の週末ソロライダー。 ロングライドが苦手だったが、今はブルベを楽しんでいる。2022年SR取得。 ロングライドに挑戦する人を応援したい。 にほんブログ村

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