ロードバイクを楽しむ上で、タイヤ選びは非常に重要な要素である。
特に注目したいのが、タイヤの「幅」の違いだ。
25Cと28Cは、どちらも現在の主流サイズであり、多くのサイクリストが選択を迷うポイントでもある。
この記事では、25Cと28Cタイヤの違い、メリット・デメリット、用途別のおすすめを解説する。
ブルベ(SR取得済み)・ロングライドをよく走る筆者が、実際に25C・28Cの両方を使い分けてきた経験を元に、走行性能・快適性・重量・空気抵抗などの観点から比較していく。
この記事でわかること
- 25Cと28Cタイヤの性能・乗り味の違い
- ロングライドやヒルクライムなど、用途別の選び方
- 実走レビューに基づくタイヤ幅の比較と体験談
タイヤ幅の基本|25Cと28Cの違いとは?

「25C」や「28C」とは、タイヤの断面幅(mm)を示しており、25Cなら25mm、28Cなら28mmということになる。
わずか3mmの違いだが、これが乗り心地や走行性能に大きく影響する。
ざっくり言えば、細いほど軽くて速く、太いほど快適で安定すると覚えておけばよい。
近年はワイドリムのホイールが主流になり、それに対応する形で28Cのタイヤも市民権を得つつある。
むしろ、28Cのほうが転がり抵抗が低いというデータも登場し、プロのレースシーンでも28Cタイヤを使用する例が増えてきている。
25Cタイヤのメリット・デメリット
メリット① 軽量で加速が軽い
25Cタイヤは軽量である。たとえば、Continental Grand Prix 5000の重量は以下の通りだ。
サイズ | 重量 |
---|---|
23C | 200g |
25C | 215g |
28C | 235g |
わずか20gの差と思うかもしれないが、回転体であるタイヤの重量差は体感しやすい。
ヒルクライムやストップ&ゴーの多い街乗りでは、軽さが武器になる。
メリット② 空気抵抗が少ない
細いタイヤは正面から受ける空気の抵抗が小さい。
高速域での巡航性能を重視するレース志向のライダーには、依然として25Cが好まれている。
ロングライドや街乗り用途などの低~中速度ライドでは、空気抵抗差は誤差なので気にする必要はない。
デメリット① 乗り心地が硬い
エアボリュームが少ないため、空気圧を高めにしなければならず、そのぶん衝撃吸収性が低くなる。
路面の段差や粗い舗装からの振動が手やお尻に伝わりやすい。
デメリット② パンクのリスクが高い
リム打ちパンクのリスクが28Cに比べて高くなる。
特に荒れた路面や長距離ライドでは、その差が顕著に現れる。
28Cタイヤのメリット・デメリット
28Cタイヤの詳細は、別記事『ロードバイクの28Cタイヤってどうなの?デメリット・体験談も踏まえて徹底解説』で紹介しているが、ここでは簡潔に要点だけまとめておく。
メリットまとめ
- 乗り心地が圧倒的に良い(振動吸収性◎)
- 安定感が高くグリップも良い
- パンクしにくい
- 空気圧を下げても走りが重くならない
- 実は転がり抵抗が低いというデータも
デメリットまとめ
- フレームによっては装着できない
- 25Cに比べてやや重い
- 空気抵抗がわずかに増す
これらの詳細は既存記事でくわしく解説しているので、より深く知りたい人はそちらも参考にしてほしい。
25Cと28Cの比較まとめ表
項目 | 25C | 28C |
---|---|---|
重量 | 軽い(加速しやすい) | やや重い(安定感あり) |
乗り心地 | 硬め | 柔らかく快適 |
パンク耐性 | リム打ちに注意 | パンクしにくい |
空気抵抗 | 少なめ(高速向き) | やや増えるが許容範囲 |
フレーム適合性 | ほぼ問題なし | 古いフレームでは装着不可なことも |
転がり抵抗 | やや高い(高圧運用) | 適正圧なら低抵抗な場合もある |
ロングライド適性 | 疲れやすい | 疲れにくく快適 |
ヒルクライム適性 | 軽量で向いている | 重さが気になる場面もある |
【筆者の体験談】実際に25Cと28Cを乗り比べてみてどうだったか?

筆者はブルベ(長距離サイクリング)を趣味としており、25Cと28Cをそれぞれ200~400kmの実走で試した。
25C:確かに軽くてよく進む印象だった
ヒルクライムのダンシングでも足がよく回るし、もたつく感じがなく反応が速い。
ただ、路面が悪い道では細かい振動が蓄積して後半に疲労感が出てきた。
28C:交換してからは、明らかに快適性が向上した
荒れた舗装や段差でも振動が少なく、結果的に脚の持ちが良くなる。
巡航時の安定感も高く、下り坂やコーナーでの安心感が段違いだ。
体感的に加速が少し重いと感じたのは最初だけで、空気圧を調整したらその違和感は解消された。
むしろペースを一定に保つ走りでは、28Cの方が圧倒的に楽だった。
- 振動がマイルドになって、手や尻の痛みが出にくくなった
- 走行の安定性が増した
- パンクの頻度が減った
- 重量増の影響は、気にならなかった
乗り比べた結果、ブルベなどのロングライドを走る筆者にとっては28Cタイヤの方が優位性があり、それ以降28Cタイヤを使用し続けている。
用途別におすすめのタイヤ幅はどっち?

選ぶべきタイヤ幅は、どんなシーンで使うかによって変わってくる。
25Cがおすすめな人
- レースやヒルクライムを重視する人
- 軽さ・スピードを求めたい人
- フレームが28C非対応の人
- 路面の綺麗な舗装路を走ることが多い人
28Cがおすすめな人
- ロングライドやブルベ中心の人
- 街乗り・通勤にも使う人
- パンクが不安な人
- 安全性・快適性を重視する人
- 荒れた舗装やグラベルを含むルートが多い人
用途別おすすめタイヤ幅
ライドの種類で用途別におすすめタイヤ幅は下記。
25Cと28Cだけで比較しているが、もちろん30Cなどのタイヤも検討するのもあり。
用途 | おすすめタイヤ幅 | 理由(メリット) | 注意点・デメリット |
---|---|---|---|
ブルベ | 28C | 長時間走行時の快適性・疲労軽減。荒れた路面でも安定。 | 軽量性・加速性能ではやや不利。空気抵抗はやや大きい。 |
ロングライド | 28C | パンク耐性と乗り心地のバランスが良い。振動吸収性も◎ | スピード重視のヒルクライムでは重く感じる可能性あり。 |
レース | 25C | 軽量・転がり抵抗の低さでスピードに貢献。エアロ効果も高い。 | 路面状況により不安定さを感じることがある。 |
クリテリウム | 25C | 高速コーナリングと加速性能重視。反応性が良くアグレッシブな走りに最適。 | リム打ちパンクのリスクが高くなるため空気圧管理が重要。 |
通勤 | 28C | 段差や荒れた路面に強く、荷物を背負ったときも安定して走れる。 | 空気圧が低いと転がり抵抗が増える。タイヤ価格はやや高め。 |
雨の日 | 28C | 接地面が広くグリップ力があり滑りにくい。安心感が高い。 | スピードはやや落ちる。泥除けとのクリアランスに注意。 |
ヒルクライム | 25C | 軽量性を活かした登坂性能に優れる。脚力に自信がある人向け。 | ダウンヒル時に衝撃が大きく感じる可能性がある。 |
よくある質問(Q&A)

Q1. タイヤ幅を変えるとき、リムは変える必要ある?
リム幅によっては、適正なタイヤ幅が決まっている。
近年のワイドリム(内幅19mm以上)なら28Cも問題なく装着可能。
旧式のナロ―リム(内幅15mm程度)の場合は、25Cのほうが安全性・相性ともに良い。
Q2. 28Cタイヤは本当に速いの?
「太い=遅い」はもはや過去の常識である。
空気圧とリム幅のバランスを取れば、転がり抵抗は28Cのほうが低くなるという実験データも複数存在する。
Q3. フレームに28Cタイヤが入るか確認する方法は?
タイヤを装着した状態で、ブレーキ・フレーム・フォークとの間に4mm以上のクリアランスがあることが目安。
不安な場合はショップで確認してもらうと安心だ。
まとめ|25Cと28Cは目的で選ぼう!

タイヤはロードバイクの「足」であり、どのサイズを選ぶかで走りの質が大きく変わってくる。
どちらが優れているかではなく、どちらが自分の用途に合っているかを考えるのが大切だ。
- 速さ・軽さ重視 → 25C
- 快適性・安定性重視 → 28C
筆者はロングライドやブルベを中心に走っていて、レースなどは出ないので、28Cを使用している。
どちらも長所があるので、まずは自分の乗り方を見つめ直して選んでほしい。
28Cの導入を検討している人は、下記の関連記事もぜひ参考に。