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夜間走行の安全性を劇的に上げる!ロードバイク用サングラス選び4つの鉄則とレンズカラー

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夜間のロードバイク走行時、「暗いからサングラスは不要」と考えてはいないだろうか。

しかし、それは非常に危険な考え方だ。

夜間こそ、サングラスはライダーの目を守るために不可欠な装備となる。

筆者は2015年からロードバイクに乗り始め、今では600kmのブルベ(長距離サイクリングイベント)を完走するほどロングライドにのめり込んでいる。ブルベでは昼夜を問わず走り続けるため、夜間走行の装備、特にアイウェアの重要性は身をもって体験してきた。

この記事では、そんな筆者の経験に基づき、夜間のロードバイク走行で本当に役立つサングラスの選び方を徹底的に解説する。

この記事でわかること

  • なぜ夜間にサングラスが必要なのか、その具体的な理由
  • 夜間用サングラスを選ぶための4つの重要なコツ
  • レンズカラーごとのメリット・デメリットと最適な選び方
  • 夜間走行で絶対に使ってはいけないサングラスの種類

筆者おすすめの調光サングラス。オーバーナイトのライドでなければ、ALTALIST KISOU ATRで快適にライド出来る。

なぜ夜間にロードバイクでサングラスが必要なのか?3つの理由

結論から言うと、夜間であってもロードバイクに乗るならサングラスは必須の装備である。

日中の紫外線対策という主な目的とは別に、夜間には夜間特有の危険から目を守るという重要な役割があるからだ。

主な理由は以下の3つに集約される。

  1. 飛来物からの物理的な保護
  2. 走行風による目の乾燥防止
  3. 対向車のヘッドライトなど不意の光からの眩しさ軽減

これらを軽視すると、思わぬ事故につながる可能性がある。

理由1:飛来物からの物理的な保護

夜間、特に街灯の少ない道を走っていると、光に集まる習性のある小さな虫が顔の周りを飛び回ることが頻繁にある。

これが走行中に目に入ると、激しい痛みで目が開けられなくなったり、反射的に危険なハンドル操作をしてしまったりするリスクがある。

筆者もブルベの夜間走行中、突然羽虫の群れに突っ込んでしまい、目や口に虫が入ってきてパニックになりかけた経験がある。 幸いサングラスをしていたため大事には至らなかったが、もし裸眼だったら落車していたかもしれない。

また、虫だけでなく、前方を走る車が跳ね上げた小石や砂埃などが目に入る危険性も常にある。

特に夜間は日中に比べて虫が多く飛び交うようになるので、物理的な目の保護という点についてサングラスの重要性が高まる。

クリアレンズのサングラス一枚が、こうした物理的なダメージから眼球を守る盾となるのだ。

理由2:走行風による目の乾燥防止

ロードバイクはある程度の速度で走行するため、常に風が目に当たり続ける。

これにより目が乾燥し、充血や痛み、かすみといった症状を引き起こすことがある。

特にコンタクトレンズを使用しているライダーにとっては、目の乾燥は深刻な問題だ。

筆者はコンタクトレンズを着用していて、サングラスなしでは目が乾燥して走行できなくなる。以前に一度、ロングライド中にサングラスを外したまま数十km走行し、目が痛くなった経験がある。

夜間のロングライドでは、疲労も相まって目の乾きが集中力の低下を招き、安全な走行の妨げとなる。

サングラスは風の巻き込みを効果的に防ぎ、目の潤いを保つことで、長時間の快適なライドをサポートしてくれる。

理由3:対向車のヘッドライトなど不意の光からの眩しさ軽減

夜間走行では、対向車の強力なLEDヘッドライトに一瞬、視界を奪われることがある。

突然の強い光で目が眩むと、路面の状況や歩行者の存在を見失い、非常に危険だ。

「暗いのにサングラスをかけたら余計に見えなくなるのでは?」という反論もあるだろう。

確かに色の濃いレンズは論外だが、適切な夜間用レンズ(例えば薄いイエロー系など)には、光を和らげ、眩しさを軽減する効果が期待できる。

また、レンズのコーティングによっては乱反射を抑える機能を持つものもあり、街灯や車のライトがギラついて見えるのを防いでくれる。

夜間走行に適したロードバイク用サングラス選び4つのコツ

夜間用のサングラス選びで失敗しないためには、押さえるべき4つの重要なコツがある。

  • レンズカラー
  • 可視光線透過率
  • フレーム形状
  • フィット感

これらの要素を総合的に判断することで、自分にとって最適な一本を見つけることができる。

コツ1:レンズカラーの選び方 - 基本はクリア、状況に応じてイエローや調光も

夜間走行におけるレンズカラーの基本は、視界の色を最も変えないクリアレンズである。

裸眼に近い視界を確保できるため、路面状況を正確に把握する上で最も安全な選択肢だ。

一方で、雨天時や霧が出ている状況では、コントラストを高めて視認性を向上させるイエローレンズも有効な選択肢となる。

ただし、色の認識が変わるため、信号の色などに違和感を覚える人もいる点には注意が必要だ。

そして、筆者のようなブルベライダーに人気なのが、紫外線の量に応じてレンズの色の濃さが自動で変わる調光レンズである。

昼間から夜間まで走り続けるようなライドでは、レンズを交換する手間が省けるため非常に便利だ。

しかし、調光レンズにはいくつか注意点がある。

色の変化には数秒から数十秒の時間がかかるため、トンネルの出入りなど急激な明るさの変化には対応が遅れることがある。

また、気温が低いとレンズの色が濃くなりやすく、色が薄くなりにくいという特性も持つ。

完全にクリアになる製品は少なく、夜間ではわずかに視界が暗く感じる可能性も考慮しておくべきだ。

コツ2:可視光線透過率(VLT)を理解する

可視光線透過率(VLT: Visible Light Transmission)とは、レンズがどれくらいの光を通すかを示す割合のことである。

この数値が高ければ高いほどレンズは明るく、低ければ低いほど暗くなる。

夜間走行でサングラスを使用する場合、このVLTが極めて重要となる。

結論として、夜間走行にはVLTが80%以上のレンズを選ぶべきである。

一般的にクリアレンズのVLTは90%前後であり、夜間使用に最も適している。 以下にVLTの目安と主な用途を示す。

可視光線透過率(VLT)レンズの明るさ推奨される天候・時間帯
80% ~ 100%非常に明るい夜間、ナイター、室内
43% ~ 80%明るい曇天、雨天、早朝、夕暮れ
18% ~ 43%やや暗い晴天~曇天
8% ~ 18%暗い快晴、日差しの強い環境
3% ~ 8%非常に暗い雪山、標高の高い場所など

注意したいのは調光レンズで、筆者の経験上、最低でも80%以上のスペックでないと夜間の路面状況や数十m先の状態が見えにくい。

この表を見てもわかる通り、一般的な昼用のサングラス(VLT10%~30%程度)を夜間に使用するのがいかに危険であるかが理解できるだろう。

コツ3:フレームの形状と素材

ロードバイク用のサングラスは、広い視界を確保できる一眼タイプのレンズや、顔を覆うようなカーブの強いデザインが主流だ。

夜間は特に、左右や後方の確認が重要になるため、フレームが視界の妨げにならないものを選びたい。

素材は、軽量でかつ衝撃に強いものが望ましい。

万が一の落車時にも、フレームが壊れて顔を傷つけるリスクを低減できるからだ。

また、日本人を含むアジア系の顔立ちにフィットしやすい「アジアンフィット」や「ジャパンフィット」と表記されたモデルを選ぶことも重要である。

海外ブランドの製品は欧米人の骨格を基準に設計されていることが多く、フィットせずにずり落ちてきたり、隙間から風が巻き込んだりすることがある。

筆者の失敗談:安価なサングラスの落とし穴

ロードバイクを始めたばかりの頃、筆者は安価なノーブランドのサングラスを使っていたことがある。

ある夜、峠を下っていると、自分の呼気と外気の温度差でレンズが一気に真っ白に曇ってしまった。

視界が完全に奪われ、恐怖でパニックになり、慌てて急ブレーキをかけて停止した。

幸い後続車もおらず事故にはならなかったが、一歩間違えれば大惨事につながっていた。

この経験から、アイウェアには信頼できる品質が不可欠だと痛感し、曇り止め機能やベンチレーション(通気口)の重要性を学んだ。

コツ4:フィット感と曇り止め機能

走行中の振動でサングラスがずり落ちてくるのは、大きなストレスになるだけでなく、視界がぶれて危険だ。

ノーズパッドやテンプル(つる)の部分が調整可能で、自分の顔にしっかりとフィットさせられるモデルを選ぼう。

汗をかいても滑りにくい素材が使われているかもチェックしたいポイントである。

そして、先ほどの失敗談でも触れたが、曇り止め機能は夜間や悪天候時の安全を左右する。

レンズ自体に曇り止めコーティングが施されているものや、フレームにベンチレーションが設けられて空気の流れを作り、曇りを防ぐ設計のものがおすすめである。

【レンズカラー別】ロードバイク用夜間サングラスのメリット・デメリット

夜間走行で使われる主なレンズカラーは「クリア」「イエロー」「調光」の3種類だ。

それぞれの特徴を理解し、自分のライディングスタイルに合ったものを選ぶことが重要である。

レンズ種類メリットデメリットこんな人におすすめ
クリアレンズ・視界が自然で裸眼に近い
・路面状況を正確に把握できる
・比較的安価な製品が多い
・眩しさを軽減する効果はほぼない
・日中の使用には向かない
・夜間走行がメインの人
・初めて夜間用レンズを買う人
・最も安全性を重視する人
イエローレンズ・コントラストを高め、物の輪郭をはっきりさせる
・雨天や霧など、視界が悪い状況で見やすい
・対向車のライトの眩しさを和らげる効果がある
・視界全体が黄色がかって見える
・色の認識が変わるため、慣れが必要
・人によっては目が疲れやすい
・夜間の峠道や雨天時に走ることが多い人
・よりアクティブな視界を求める人
調光レンズ・1本で昼夜を問わず使用できる
・レンズ交換の手間がない
・荷物を減らせる
・色の変化に時間がかかる
・完全なクリアにはならない製品が多い
・気温によって性能が左右される
・価格が高い
・ブルベやロングライドで昼夜またいで走る人
・複数のサングラスを持ち運びたくない人

筆者の場合、600kmブルベのような長丁場では、やはり調光レンズの利便性が勝るため愛用している。 ただし、仮眠後の深夜スタートなど、純粋な夜間走行だけの場合は、より視界が明るいクリアレンズのスペアも必ず携行するようにしている。

これはNG!夜間のロードバイクで避けるべきサングラス

結論として、夜間のロードバイク走行で「色の濃いレンズ(ブラック、グレー、ブラウン、ミラー系など)のサングラスを使用することは絶対にやめるべき」である。

これらは昼間の強い日差しを想定して作られており、可視光線透過率が極端に低い。

夜間に使用すると、視界が著しく悪化し、路面のわずかな凹凸や落下物、歩行者や動物の発見が遅れ、致命的な事故につながる。

これは「格好良いから」といったファッションの観点で選んで良いものでは断じてない。

道路交通法上、明確にサングラスの色に関する規定はないものの、暗い場所で視界を著しく妨げるものを着用して運転することは「安全運転義務違反」に問われる可能性もゼロではない。

何よりも、自分自身と他者の命を守るために、絶対に使用してはならない。

ロードバイクの夜間走行におすすめのサングラス

それでは筆者がおすすめする夜間走行に適したサングラスを紹介する。

1. ALTALIST KISOU ATR

3D楕円レンズと調光ミラーレンズを組み合わせた国産モデル。

軽量かつ高フィットで、300kmブルベでも快適に使えた実績がある。

テンプルとノーズの3段階調整でズレにくく、デザインも秀逸。

ただし、ミラーレンズであるため、真っ暗な夜間ではやや暗く感じるのが注意点。

  • 可視光透過率:8〜80%
  • 価格:12,000円前後

2. OAKLEY JAWBREAKER BLACK PHOTOCHRMC IRIDIUM

定番のプロ仕様サングラス。

ジョウブレイカーは、レンズ交換可能でサードパーティ製のコスパが高いレンズも多数版倍されている。

筆者の場合、夜間走行が長いライドであれば、ジョウブレイカーのプリズムロードレンズとクリアレンズを持っていく。夜間はクリアレンズにレンズ交換している。

調光タイプは朝から夕方まで安定した視界を保てる。

  • 可視光透過率:23〜63%
  • 価格:30,000円前後

3. その他にもある!おすすめの調光サングラス

下記記事では、夜間走行にも対応できる調光レンズの選び方やおすすめ製品6選を紹介しているので、チェックしてみてほしい。

Q&A|ロードバイクの夜間サングラスに関するよくある質問

Q1: メガネの上からかけられる夜間用サングラスはあるか?

A: ある。 「オーバーグラス」と呼ばれる、眼鏡の上から装着できるタイプのサングラスが存在する。

また、度付きレンズを装着するための「インナーフレーム」が付属しているスポーツサングラスもある。

眼鏡使用者でも、夜間の目の保護を諦める必要はない。

Q2: 度付きの夜間用サングラスを作る場合の注意点は?

A: スポーツサングラスの多くは、レンズのカーブが強い「ハイカーブレンズ」を採用している。

このため、通常の眼鏡と同じ度数で作ると、視界が歪んだり、気分が悪くなったりすることがある。

度付きのハイカーブレンズ製作には専門的な技術が必要なため、必ずスポーツサングラスの取り扱いに長けた専門店に相談することをおすすめする。

Q3: 普段使いのファッションサングラスを夜間に使うのはダメか?

A: 推奨できない。

理由は2つある。 第一に、ほとんどのファッションサングラスはレンズのVLTが低く、夜間使用には暗すぎる。

たとえレンズの色が薄くても、VLTを確認すべきだ。

第二に、スポーツ走行を想定した設計ではないため、フィット感が悪く、走行中にずり落ちやすい。

汗で滑りやすく、衝撃への耐久性も低いことが多いため、安全装備としては不適切である。

Q4: 安価なサングラスでも問題ないか?

A: 一概にダメとは言えないが、慎重に選ぶ必要がある。

安価な製品の中には、レンズの歪みが大きかったり、UVカット機能が不十分だったり、衝撃ですぐに割れてしまうような粗悪なものも存在する。

アイウェアは目を守るための重要な「プロテクター」である。

信頼できるスポーツブランドの製品は、光学性能、安全性、耐久性など厳しい基準をクリアしている。

初期投資は高く感じるかもしれないが、長期的な視点で見れば、安全と快適性を手に入れるための価値ある投資だと言えるだろう。

まとめ|安全な夜間走行のために最適なロードバイク用サングラスを選ぼう

この記事では、夜間のロードバイク走行におけるサングラスの重要性と、その選び方について解説してきた。

  • 夜間のサングラスは、飛来物、風、眩しさから目を守るために必須の安全装備である。
  • 選ぶ際のコツは「レンズカラー」「VLT(80%以上)」「フレーム形状」「フィット感」の4点。
  • 基本はクリアレンズだが、状況に応じてイエローや調光レンズも有効な選択肢となる。
  • 色の濃い昼用のサングラスを夜間に使用するのは、視界を著しく悪化させるため絶対にNG。

夜間走行は、日中とは異なるリスクが潜んでいる。

そのリスクを正しく理解し、適切な機材を揃えることが、安全で楽しいサイクリングの第一歩だ。

特に、視界を確保し、目を保護するサングラスは、ヘルメットやライトと同様に重要な装備に他ならない。

この記事を参考に、ぜひあなた自身のライディングスタイルに合った最適な一本を見つけ出してほしい。

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夜間走行に必須の関連装備・アイテム

ロングライドやブルベで夜間走行する場合に必須の装備について、下記の記事で解説しているので参考にしてほしい。

ブルベライダーの筆者の経験からポイントを押さえて紹介しているので是非。

  • この記事を書いた人

ミル

ロードバイク歴10年の週末ソロライダー。 ロングライドが苦手だったが、今はブルベを楽しんでいる。2022年SR取得。 ロングライドに挑戦する人を応援したい。 にほんブログ村

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